JR中央線と京王線、着席通勤ならどちらを選ぶ? 新型車両投入しサービス向上に切磋琢磨
東京都心(本稿では、池袋・新宿・渋谷・東京など「東京山手線内」の駅とする)と多摩地区を結ぶ着席保証列車が年々充実化の動きを見せている。
京王線や西武新宿・拝島線では長らく、東京都心―多摩地区間で利用できる着席保証列車は存在しなかったが、2013年3月16日に西武新宿線特急「小江戸」が東村山(東京都東村山市)への停車を開始したことを皮切りに、2018年に入り、京王線・京王相模原線「京王ライナー」が2月22日に、西武新宿・拝島線「拝島ライナー」が3月10日にそれぞれ運行を開始。都心と多摩地区を結ぶ着席保証列車の運行区間は、JR中央本線・青梅線、小田急小田原線、京王線・京王相模原線、西武新宿・拝島線の4系統を数えるまでになった。
なお、2018年12月14日からは、東急大井町線大井町―田園都市線長津田間で有料座席指定「Qシート」も始まったが、多摩地区へ向かうには、JR南武線やJR横浜線に乗り継ぐ必要がある。
「はちおうじ」vs「京王ライナー」
今回はその中でも、新宿―八王子間で競合するJR東日本の「はちおうじ」と、京王電鉄の「京王ライナー」に焦点を当てる。
2017年度のJR東日本中央本線(快速)の最混雑区間は中野→新宿(混雑率184%)、最混雑時間帯は平日午前7時55分~8時55分である。「はちおうじ」は最混雑時間帯を外した時間に運行されるが、満席になる列車もある。また、東京発着のため、丸の内のオフィス街の勤め人や新幹線への乗継客などにとって便利な列車である。
3月15日までは、東京―高尾間に「中央ライナー」が、東京―青梅間に「青梅ライナー」がそれぞれ平日に運行されていたが、3月16日のダイヤ改正に伴い、それぞれ平日運行の特急「はちおうじ」「おうめ」に格上げされ、E353系への車両変更ともに、既存の特急「あずさ」「かいじ」ともども全車指定席化された。そもそも、JR東日本が中央本線特急の指定席化に踏み切った背景は何か。話は4年以上前にさかのぼる。
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