一挙に6駅、駅名変更は京急の得意技だった 駅名看板を活用した話題づくりにも熱心だ
仲木戸駅という名称は、江戸時代に将軍の宿泊施設である神奈川御殿があり、柵を作った門を設けて警護したことが由来とされる。しかしJR京浜東北線・横浜線の東神奈川駅が隣接し、現在は乗換駅として認められているので、横浜線沿線にある日産スタジアムへ向かう利用者も考え、京急東神奈川駅とした。
最後の新逗子駅は、観光客が急増している葉山の名前を逗子に加えて逗子・葉山駅とすることで、利用者増加を図る狙いがあるようだ。京急では企画乗車券「葉山女子旅きっぷ」を販売しており、三崎マグロ駅のような関連付けを持たせたという目的もある。新逗子は羽田空港からのエアポート急行の終着駅でもあり、行き先としてこの駅名が表示されれば、葉山方面へ向かう電車であることをアピールできるだろう。
これらとは別に羽田空港のターミナル再編に伴い、空港線の羽田空港国内線ターミナル駅は羽田空港第1・第2ターミナル駅、羽田空港国際線ターミナル駅は羽田空港第3ターミナル駅に名称を変更する。
副駅名標の採用も
今回の駅名募集の応募総数は1119件に上っており、もちろん4駅以外の意見も寄せられた。そこで10駅については「副駅名標」を掲げることになった。
これまで京急では企業や学校、商業施設などの名称を、広告料を取って駅名標に掲出した「副駅名称広告」はあったものの、公共性・公益性の高い施設や名所旧跡などの認知度向上、利用者の混乱回避などを目的として無償で表記する副駅名標は初採用になる。
10駅のうち4つは上記4駅の旧駅名で、残る6駅には鮫洲「鮫洲運転免許試験場」、京急鶴見「大本山總持寺」などがある。副駅名称広告は新馬場(寺田倉庫前)のように丸括弧で表記していたのに対し、副駅名標は鮫洲【鮫洲運転免許試験場】のように角括弧を用いるので識別可能だ。
「中には現在の駅名のままにしてほしいという意見もありました。募集の際には読み方が難しい駅の変更も想定していましたが、難読駅名のひとつであると認識されていた雑色駅は、読みやすくすることが沿線活性化につながるわけでないとの判断もあって変更に至りませんでした」
【2019年5月30日14時20分追記】初出時、難読駅名についてのコメントの内容に事実と異なる点がありましたので、表記のように修正しました。
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