京急「下町」色を刷新、マンション開発の勝算

かつての工場跡地が一変、通勤の流れが逆に

多摩川を渡る京急本線。奥に見えるのが大師線沿線で開発した高層マンション「リヴァリエ」の3棟(記者撮影)

品川と横浜、三浦半島を結ぶ京浜急行電鉄は今年2月で創立120周年を迎えた。同社発祥の路線、大師線は現在、多摩川の南側の京急川崎―小島新田間(4.5km)を走る。4両編成の普通電車が往復する短い路線には、8両や12両の列車が時速120kmで快走する京急本線とは対照的な、のんびりとした時間が流れている。

大師線は、厄よけで知られる川崎大師平間寺への参拝客や、日本の高度成長期を支えた京浜工業地帯の工場群へ通う労働者らに長く親しまれてきた。近年、沿線の風景とともに、朝夕の乗客の流れに変化が見られるようになってきている。

工場跡地にマンション続々

京急川崎駅から1駅目の港町駅。駅メロディには美空ひばりの「港町十三番地」が採用され、歌碑や駅構内の音符の装飾とともに、かつてこの駅がレコード会社、日本コロムビアの工場の最寄りだったことを物語っている。駅名も開業当時は「コロムビア前駅」と称していた。その工場跡地に現在、高層マンション「リヴァリエ」がそびえる。A~C棟の3棟の総戸数は1400戸近くある。

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リヴァリエは京急電鉄が大和ハウス工業と開発し、2011年7月にA棟の販売を開始した。港町駅へ徒歩1分、京急川崎で快特に乗り換えた場合、品川まで13分(乗車所要時間のみ)、横浜までは9分(同)という「職住近接」が最大の売りだ。2017年6月に最終棟C棟の全住戸の引き渡しが終わった。

京急電鉄などが開発した高層マンション「リヴァリエ」(記者撮影)

京急電鉄は入居開始に合わせ、2013年に駅を改装してマンション側に改札口を新設。駅メロディもこのとき導入した。同社まち創造事業部の担当者は「駅施設と駅前の土地を一体的に開発できるのは鉄道会社ならではの強み」と胸を張る。購入層については「都心や横浜方面へ通勤する人もいれば、羽田空港が近いため、地元にある大手電機メーカーなどに勤める出張の多いビジネスマンもいる」と説明する。

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