一挙に6駅、駅名変更は京急の得意技だった 駅名看板を活用した話題づくりにも熱心だ
駅名変更に掛かる費用は公表していない。羽田空港関連を含めた6駅で数億円というところだろう。京急に乗り入れる東京都営地下鉄や京成電鉄なども、路線図の変更が必要になるが、これらは相手側の負担になる。それを考えれば6駅を一斉に変更することは助かるかもしれない。
ところで京急の歴史を振り返ると、駅名の変更はこの鉄道会社にとって、それほど珍しい出来事ではないことがわかる。
たとえば今回変更が発表された新逗子駅は、もともと京急逗子と逗子海岸という2つの駅の間の距離が近かったことから、列車の編成が長くなるのを契機に併合して新逗子駅になったという歴史を持つ。前出の新馬場駅も、高架化に伴い北馬場駅と南馬場駅が統合して生まれた。
「YRP野比」は絶妙な名称だ
京急では唯一のローマ字使用駅名である久里浜線YRP野比(わいあーるぴーのび)駅は、京急のほか総務省や横須賀市などが推進組織となってICT研究開発拠点「横須賀リサーチパーク」が建設されたことに合わせて、1998年に野比駅から切り替わった。
あえてローマ字を使ったのは、先進的なイメージを強調するとともに、野比の地名を残すことで地域活性化につなげたいという思いもあったという。横須賀リサーチパーク駅とするより簡潔であり、立地がわかりやすい、絶妙な名称だ。
住宅開発によって変わった駅名もあった。本線の能見台駅は昔は谷津坂駅だったが、京急がこの地域で住宅地を開発するのを機に、江戸時代に建てられた地蔵堂である能見堂から名を取って能見台と名付け、駅名をそろえた。
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