「うつ病」に苦しむ子供を救うための3つのコツ 「クラスに1人はうつ」でもおかしくない

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子どもの様子を見ていてもあまり変化がないときは、抑うつの程度を医師に診せることも検討したほうがいいでしょう。

そのタイミングの見極めの1つは、休息をとっても調子が戻らないときです。休日であれば、子どもはリラックスして朝遅くまで寝ていることがありますが、十分に睡眠をとると元気になり、食欲もあるのが普通です。

休日でもなかなか改善しない、土日や、とくに春休みや大型連休など長い休みを挟んでも改善しないことは、受診を考える1つの目安になります。夏休みは長い期間ですので、夏休み中ずっと調子が悪いということであれば、それも要注意です。

2つ目は、今までとくに興味を持っていたもの、例えばサッカーの練習やゲームをやる、漫画を描くなど、そういったことも楽しめないという状況です。新しいものに興味を持つのであればさほど心配はないのですが、楽しめるもの、集中できるものがなくなるということは、背景に抑うつが潜んでいる可能性があります。

子どもの「睡眠」に気を配ろう

3つ目は、1日中、身体の調子が悪い状態が続いている場合です。不登校や長時間のネット使用でも午前中の調子の悪さは共通ですが、夕方頃になると、かなり元気になることが多くなります。一方、抑うつ状態では、いくらか改善するものの調子が戻らないということになります。

さまざまな睡眠障害も特徴です、単に寝つきが悪い、朝起きるのが苦手であるということは子どもにも見られますが、朝起きたときからすっきりしない、夜中や朝早く目が覚めてそのあと眠れない、夜中に何回も目が覚めてしまうといった様子はまれであり、このような睡眠障害があれば医療機関に相談をしてください。

最も心配なことは、気持ちの落ち込みだけでなく、自分自身を責めるような言動です。とくに「死にたい」というような言葉を口走るようなことがあれば聞き流さないようにし、まずはその考えをやめさせて、早めに受診されることをお勧めします。

古荘 純一 青山学院大学教育人間科学部教授

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ふるしょう じゅんいち / Junichi Furusho

小児科医、小児精神科医、医学博士。1984年昭和大学医学部卒業。昭和大学医学部小児科学教室講師、青山学院大学文学部教育学科助教授を経て、現在にいたる。日本小児精神神経学会常務理事、日本小児科学会学術委員、日本発達障害連盟理事、日本知的障害福祉協会専門員などを務めながら、医療臨床現場では神経発達に問題のある子ども、不適応状態の子どもの診察を行っている。青山学院大学では、教育、心理、保育などで子どもにかかわる職種を目指す学生への指導を行っている。

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