幼児期から「親子で英語」を習うとどうなるのか 2人のバイリンガル育てた専門家の視点

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これに対して「そんなに小さいときから英語をやらなくても、本人に『やりたい!』という意欲が出てからでいいんじゃないの?」という意見もあるでしょう。しかし、もし、本人のやる気がまったく出なかったらどうするのでしょう。「いつか絶対にやる気になる」なんて、誰が保証できるのでしょうか。それに、やる気が出た人は、みんな必ず英語ができるようになっているでしょうか。 残念ながら違いますよね。

たとえ、私のように中学生のときに英語と出会い、英語が大好きになったとしても、そこからの英語学習には多大な苦労を伴います。「外国語ができるようになること」は、想像以上に労力と時間がかかるもの。英語は「やる気さえ出れば、大人になってからでも簡単に身に付けられる」ものではないのです。そこで私は、幼児からの英語教育で「ムリなく、ムダなく、バイリンガルを育てる」ことをお勧めしています。

生まれたての子どもは語学能力が高い?

「英語は0歳から始めてほしい」というのは、子どもの柔軟性だけが理由ではありません。純粋に、小さい子どものほうが、語学習得の適性があると感じるからです。「語学力の伸びは、若い人にはかなわない」という感覚は、何となく皆さんがお持ちだと思います。

2人の子どもをバイリンガルに育てましたが、英語で毎日語りかけをしたわけでも、インターナショナルスクールに行かせたわけでも、小さい頃から英語の多読をさせたわけでもありません。ただ英語で親子遊びをして、英語の動画を見せて育てました。

そんな2人に、どうしてもかなわないのが「リスニング」です。私だってTOEICのリスニングは満点ですし、英語の中でリスニングがとくに苦手なわけでもありません。でも、私の場合、リスニングをするときには「英語を聞くぞ」というモードになる必要がありますし、飛行機の中で見る映画も、内容によっては字幕なしでは厳しく感じます。でも子どもたちは、まったく何の問題もなく英語を聞き取ることができます。こればかりは、本当にうらやましいです。英語に関して、私と子どもたちで決定的に違うことは「幼児期に英語を聞いているかどうか」なのです。

TEDで有名になったパトリシア・クール博士は、このように言っています。「生まれたての子どもは、6~8カ月時点では、どんな言語の音も聞き取ることができる。しかし、この臨界点を過ぎると、子どもはその能力を失い、自分の周りで話される言語の音を吸収するようになる」と。TEDでは「赤ちゃんは語学の天才」(The linguistic genius of babies)というタイトルで掲載されていますので、ぜひ動画をご覧になってください。

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