職と給料を失う「定年Hanako」に居場所はあるか

Hanako世代を襲う「サラリーマンロス」の正体

そして、2つ目の大きな不安は、自分の存在意義や生きがいです。これは居場所に通ずる話ですが、サラリーマンをしていると正当な対価かどうかは別として自分の仕事に対して給与が支払われます。業績や評価によってはボーナスが上乗せされたり、昇進昇格で働きが会社から認められたりします。 30年以上、当たり前のように自分を認めてくれた会社という存在、そして、世の中への貢献の対価としてのお金が得られなくなるのはやはり不安です。

このあたり男性も同じだと思われるかもしれませんが、女性にはすでに自分の中で折り合いをつけ、自立して生きている「専業主婦」「パート主婦」という存在がいます。専業主婦の場合、自分で家事のレベルを決め、お金でなくても自分で達成感を得られるような生活の体制を物心両面で整えていると言えます。

働き続けてきた立場からすると、彼女たちの折り合いのつけ方や振る舞いは私にとってある意味お手本でもあり、それができていない自分にしばしば劣等感を感じることもあります。

退職日が近づき、ストレスで眠れない

働き続けてきた女性の場合、家事がある程度おろそかになっていても、それほど気にしないでいられたのは、会社あるいは給料で自分が評価される立場にあったことが大きいと思います。ふとそれに気づくと、職場を失うことで自分の心が従来どおりのバランスを保てるかどうかに自信がなくなり、定年後の時間の長さが心にのしかかってくるのです。そんなとき、それをどうやって解決するのか。私自身の実例をお話ししたいと思います。

私は70歳以降になったときの居場所づくりのために、45歳になる直前で思いきって会社を辞める決意をしました。ところが、退職予定日が近づくにつれて、夜中に何度も眼が覚めるなどストレス症状が出始めました。大きな環境の変化に耐えられるか不安だったのだと思います。

その対策としてとった行動が、家ではない場所で「自分の好きなこと」に触れる場を持つことでした。私は「料理」や「美味しいもの」が大好きなので、こだわりのあるパン屋さんで朝の数時間、販売のパートとして働くことにしたのです。

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