なぜ本物のお金持ちは「ケチ」といわれるのか 代々続く資産家はフェラーリを乗り回さない

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資産家のファミリーが所有する事業や資産を管理、保全、運用し、次世代の永続的な発展を目的として運営するビジネスのことを「ファミリーオフィス」と言います。

最近は海外の経済誌のタイトルにもなっているほど注目されていて、成長している分野です。すでに彼らの総資産はヘッジファンドを上回り、世界の株式市場の6%に匹敵すると言われています。

もともとは19世紀のアメリカ産業革命を契機に誕生したカーネギー、ロックフェラーなど、大資産家の資産の保全や継承を目的に誕生したもので、富裕層の多いアメリカや香港、シンガポールでは多数のファミリーオフィスが存在します。

一家族の資産だけを運営管理する「シングル・ファミリーオフィス」の場合、会計や税、相続や事業承継、子息の教育、慈善活動など、カバーする分野は多岐にわたり、運用のプロのほかに、弁護士、会計士、税理士など複数のプロフェショナルが集まって問題を解決していきます。

案件によっては複数の専門家と意見交換をしないと解決しないものもあるからです。彼らを雇っている資産家自身も、お金のことを熟知したプロフェッショナルです。

生活コストを下げて資産を守り増やす

さて、資産家の生活習慣は、私たちがお金を守るための参考になります。まず、彼らの多くは給与所得などのフローよりもストックである資産を重視しています。もちろん、ストックが尽きないように資産運用をしてフローを作るようにしてはいますが。

例えば、1億円あっても何も運用せずに毎年300万円を使い続けていけば、33年程度で資産は底をつきます。そのために生活コストをできるだけ下げて、運用をしてお金の寿命を延ばす必要があるのです。

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1億円を3%で運用できれば毎年300万円のフローが生まれるので、元本を減らさずにゆとりが生まれるでしょう。そのために日々切磋琢磨して無駄な支出を削り、運用益をあげる努力をしたり、会社を作って収入を生み出したりしているのです。

3代続く資産家にもなると、100年以上もお金を守り続け、着実に増やさなければならないのです。それは並大抵の努力では成し遂げられません。それゆえに、代々資産家という家系は驚くほど地味で質素で、フェラーリを乗り回すようなイケイケの新興リッチとはまったくタイプが異なるのです。

花輪 陽子 ファイナンシャルプランナー

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はなわ ようこ / Yoko Hanawa

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者。外資系投資銀行を経てFPとして独立。2015年から生活の拠点をシンガポールに移し、東京とシンガポールでセミナー講師など幅広い活動を行う。『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書) 、『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。花輪陽子オフィシャルサイト 海外に住んでいる日本人のお金に関する悩みを解消するサイトも運営。まぐまぐ「花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編」も。

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