交渉下手な人は「準備」のやり方を知らなすぎる 「準備ノート」をつくることから始めよう

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交渉は登山に例えると考えやすいです。登山家は、難易度の高い山に挑戦するとき、用意周到な準備をします。危険な山であればあるほど、なんとか攻略しようと山岳ルートをいくつも探ります。

準備不足の状態で難しい山に挑んでしまったら、遭難という取り返しのつかない事態に陥る可能性があるからです。

交渉にも、これと同じことがいえます。登山家が地形図で山岳ルートを探るのと同じように、「戦略ルート」を探したうえで交渉に臨むことが、成功への近道なのです。

この戦略ルートは、ただ頭の中で考えているだけでは出てきません。「今回の交渉の問題点は何か?」「相手はどんなことを不安に思っているのか?」という現状をまとめて、相手を攻略するための戦略図をつくる必要があります。私はこれを1冊のノート、通称「準備ノート」にまとめています。

「準備ノート」のつくり方とは?

この「準備ノート」に、いま抱えている問題点などを洗い出し、整理していけば、相手の攻略ポイントを「見える化」することができます。そうすれば、交渉の戦略ルート=相手の心を動かすための糸口を発見することができるのです。

「準備ノート」をつくるポイントは3つあります。

1. 相手の情報を徹底的に集める

まずは、交渉相手の情報を徹底的に集めます。仕事に関することだけでなく、「出身地はどこか?」「家族構成は?」「趣味は何か?」など、調べられる限りの情報を集めます。集めた情報から、その人の人物像がイメージできるようになれば、「どんなことに心が動くのか」というポイントが見えてきます。

例えば、相手の食べ物の好みがわかれば、打ち合わせの手土産にその人の好きな物を用意していく。これだけでも印象がよくなり、話がスムーズに進むきっかけになることもあります。自分と相手との出身地が近ければ、その話で盛り上がり仲が深まるということもあるでしょう。

どんな人なのか、まったく知らないまま交渉を始めるのは、高さも地形もわからない山にいきなり登るようなもの。それでは失敗してしまうのも当然です。事前に、相手の人物像をつかんだうえで交渉に臨むことが、「最高の結果」に結びつくのです。

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