経産省が目論む「新たな技術立国」へのステップ IFA Nextのパートナーに日本が選ばれた理由
経済産業省は、独ベルリン・メッセで9月に開催される世界最大級の家電見本市「IFA」で、日本発のイノベーション技術、および日本が国を挙げて進めている産業改革のプロジェクトについて訴求する契約を締結した。
IFAは白物家電などから始まった世界でもっとも歴史ある見本市だが、デジタル家電の時代を経て近年はテクノロジースタートアップ、要素技術を含めたB2Bマッチメイキング、それに自動運転技術を基礎とした近未来のモビリティ製品にフォーカスした展示に力を入れている。
そうした拡張と改革を続けるIFAの中で、次世代のイノベーションを担うスタートアップ、あるいは大企業の組織改革や社内ベンチャーから生まれている新基軸の商品、技術、コンセプトを集めた「IFA NEXT」と呼ばれるエリアの“パートナー国”を今年から設定。その最初のパートナーとして契約に合意したのが日本だった。
行き詰まる「テック製品」市場
この計画が発表されたのは4月25~28日にスペインで開催された「IFA Global Press Conference(GPC) 2019」という、世界60カ国以上、350人近いプレスが集まるイベント。参加した経産省の西山圭太商務情報政策局長は「単に日本で生まれている製品を訴求するだけでは意味がない。次世代の社会を見据え、日本が推進しているあらゆるモノ・サービス・インフラがネットワーク化された“ソサエティ5.0”など、製品・技術に加え、コンセプトをグローバルに発信していく」とインタビューに応えた。
かつて日本の産業界を支えた電機業界は、2007年に誕生した初代iPhoneから始まったイノベーションの中で大きくその勢力地図を塗り変えてきた。
数多くいた日本の総合電機メーカーは国際市場から退場し、とりわけ北米市場ではソニーが一部ジャンルで存在感を示すものの、パナソニックでさえかつての基幹製品だったテレビはもはや販売していない。
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