東証の「市場区分」見直し、どう進めるべきか

蚊帳の外に置かれた投資家たちの不平と不満

東京証券取引所は、上場市場区分の見直しを進めている。写真は2019年1月4日の大発会(撮影:尾形文繁)

昨年10月下旬に東京証券取引所が、市場区分を見直すと唐突に表明してから半年が経った。表明直後から、東証が1部上場社数を大幅に減らす意向であるとの報道が断続的に流れた。

東証は3月下旬に「論点整理」と題するペーパーを公表したが、その後も、投資家や上場会社などの間に広がった疑心暗鬼はそのままだ。

東証の狙いは4市場の役割見直し

日本取引所グループの清田瞭CEOが定例会見で「市場構造の在り方等に関する懇談会」(以下、懇談会)の設置を公表したのは昨年10月29日。

大阪証券取引所との合併から5年が経過して落ち着いてきたので、近年その役割があいまいになっていた4市場(東京1、2部、ジャスダック、マザーズ)の役割を議論し直す、というのが東証の公式見解だった。

東証はパブリックコメントの募集を12月21日に開始したが、その前後で日本経済新聞は「懇談会設置の目的は増えすぎた東証1部上場企業数の大幅削減と、1部以外の3市場の再編」「東証1部からの降格基準には時価総額を使い、その額は500億円か1000億円が有力視されている」などと報じた。

その後、東証は今年の3月27日にパブコメで寄せられた意見集と今後議論すべき論点を整理したポンチ絵を公表。再編案の叩き台となるような報告書を出すこともなく、懇談会は役割を終えた。

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