夢のセカンドハウスは老後破綻を招きかねない 長く持つほど貧乏になる「負動産」の可能性も
アラフィフ世代のご夫婦には、ようやく子どもが就職して自立したり、ローン完済のメドも立ったりして、安堵している方々も多いでしょう。私は「プレ定年」専門のファイナンシャルプランナーとして主に会社員世帯のご相談を受けていますが、今回お話しするケースは「セカンドハウス」の購入を迷いに迷った大手企業管理職のAさん(55歳)夫婦です。
まさにアラフィフ世代のAさん、人生の折り返し地点を過ぎて一息つき、これからは自分たちの暮らしを楽しむ余裕も持ちたいと思っていたところ、電鉄系リゾートの広告に、ふと目が止まりました。懐かしい想いが湧いてきたからです。
「海外リゾートのヴィラ」のような物件に一目惚れした
その電鉄系リゾートには会員専用のホテルがあり、Aさんの会社は法人会員になっていました。まだ子どもが幼かった頃、家族でたびたび訪れていたのです。敷地内には別荘もあり、「いつか自分たちもセカンドハウスを持てたらいいな」と、漠然と思っていました。
しかし、教育費やマイホームのローンなどの負担が重く、日々の暮らしを送るだけで精いっぱい。セカンドハウスへの想いは遠のいていましたが、リゾート広告にそれを喚起されたわけです。Aさんは奥様にも話し、夫婦で意気投合。物件の内覧を決めました。
「セカンドハウスなんて高嶺の花」と思っていたAさん夫婦でしたが、内覧したら、一目で気に入ってしまいました。物件は、マンションタイプの2階建て。街中のマンションとは雰囲気が異なり、まるで海外リゾートのヴィラのように見えました。ピクチャーウィンドウからは八ヶ岳の眺望も楽しめる。夫婦の嗜好にぴったり、納得の物件だったのです。予算内で購入できそうなので話を進めることにしました。
ところが、条件を聞いた頃から、暗雲が立ち込めてきたのです。
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