通信制高校は、「不登校の受け皿」だけじゃない

答えは、高校初のeスポーツコースにあった

ルネサンス大阪高校の「梅田eスポーツキャンパス」。40台のゲーミングパソコンとゲーミングチェアが並ぶ。生徒たちは声を掛け合いながらゲームを攻略していく(記者撮影)

大阪・堂山町のビルの1階、ゲーミングパソコンがずらりと並ぶ真新しい教室がある。通信制高校・ルネサンス大阪高等学校の「梅田eスポーツキャンパス」だ(4月1日開設)。同校が2018年4月に高校初の「eスポーツコース」を開設すると、定員を上回る応募があった。予想以上の反響で、2019年4月の入学希望者も多かったため、専用施設を設けて新たにスタートを切っている。

少し照明を落とした教室で、ゲーム画面に向き合う生徒たち。この日プレイしていたのは、5対5のオンライン対戦ゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」。チーム対戦ゲームゆえに、生徒たちは互いに声を掛け合い、ゲーム攻略に夢中になっていた。ときおり笑い声も聞こえてくる、明るい雰囲気だ。

eスポーツコースの生徒数は現在60人。授業は火曜日と木曜日の週2回行われる。教材となるゲームは「ストリートファイターV」「リーグ・オブ・レジェンド」「シャドウバース」「ウイニングイレブン2019」「ハースストーン」「フォートナイト」など。eスポーツで有名な近畿大学や大阪電気通信大学、大阪を拠点に活動するプロeスポーツチーム「サイクロプスアスリートゲーミング」から講師を招き、指導を行っている。

自分だけ頑張っても、勝つとは限らない

チーム対戦型ゲームでは、自分だけが奮闘しても勝利は得られない。自らの状態をチームに正確に伝える方法、敵プレイヤーの情報の分析方法、それらを総合してチームでどう動くかという判断などを、多面的に学ぶ必要がある。キャラクターごとの能力の違いも、正確に記憶しなくてはならないため、記憶力も試される。

指導内容はゲームプレイにとどまらない。たとえば英語。eスポーツの最先端は欧米や中国。攻略のための情報を得たり、コミュニケーションしたりするために、英語は必須だ。そこで、ゲーム好きなアメリカ人のネイティブ講師が教える授業や、社会人向け英会話学校の講師による授業がある。そのほか、試合に向けて良好なコンディションを保つため、日常生活から計画性を養う授業、ゲーム戦略をみんなで議論する授業など。不利な状況に追い込まれても平常心でプレイするためのメンタルトレーニングの授業も含まれている。

実は、カリキュラムにおいてより重視したのが、こうしたゲームプレイ以外の指導だ。

高校生にはさまざまな進路がある。全員がプロプレイヤーになるわけではない。ゲーム会社への就職や動画サイトのゲーム実況者、eスポーツの大会運営に関わるなど、周辺ビジネスに携わる道もある。もちろん、別の分野への就職や進学を目指す生徒もいる。専門学校ではない高校教育ゆえ、どの道を選んだとしても、学んだことが役立つカリキュラムを目指した。そこで、ゲームを通じて英語やディスカッション、メンタルトレーニングを学ぶ授業が盛り込まれたわけだ。

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