ロンドンで話題、変てこ「環境デモ隊」の正体

「絶滅への反逆」活動家が求めているもの

今回の活動については「大いに議論が分かれるところ(BBCニュース)」ではあるが、市民の様子を見ていると、意外なほどに活動に対して寛容だ。

イギリスは過去数年、夏の異常な暑さに悩まされているほか、従来になかった大雨が続いたりと、明らかな気候変動による天候の変化が著しい。そんな背景もあり、例えばプラスチックの使用量削減のためのスーパーのレジ袋有料化や、カフェやファストフード店での紙製ストローへの切り替えなどに積極的に協力するなど、気候変動を「自分たちの問題」と捉える向きが多い。

非暴力を訴える一方で、多くの逮捕者が出ている

しかも現場に足を運ぶと、いわゆる組織された活動家らだけがデモに参加しているのではなく、一般市民で主張に共感した人々が応援参加、その後街中での籠城を一緒に行ったため逮捕、という人も少なからずいるという。

市民の興味も高まっているようで、高校生たちが環境問題を訴えるデモ活動の先鋒としてノーベル平和賞の候補にも上がっているスウェーデンの16歳の少女・グレタ・トゥーンベリさんがロンドンに駆けつけ、デモ活動の一環として行ったスピーチには多くの人々が耳を傾けた。

絶滅への反逆運動の呼びかけ側は非暴力を訴える一方で、できるだけ多くの逮捕者が出るような方向性を打ち出している。22日夜までに捕まった活動参加者は1000人を超え、うち53人がは裁判所へ送致されたという。

排除命令を執行しようと、活動家のテントに入って説得を続ける警官(筆者撮影)

別名「スコットランドヤード」の愛称で呼ばれるロンドン警視庁のコリン・ウィングローヴ警視長は「1つの事件で数百人もの逮捕者が出たことは、自身の経験ではこれまでなかったこと」と今回の活動の異常性を指摘。そのうえで、「いま行われているデモは、公共交通機関、一般商店の営業、そして普段のように仕事がしたいロンドン市民らの動きを妨害している」と糾弾している。

現在の活動はとりあえず4月29日をメドに続ける、とされているが果たしてどんな展開になるのか。まもなく日本はゴールデンウィークに入り、ロンドンにも多くの観光客が訪れることだろう。「ロンドンに行ったらデモでまともに出歩けなかった」という事態になりかねない。

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