社内ゴシップに「敗れる人」「勝つ人」の致命的差 ピンチは「争点」を作ることで切り抜けられる

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これがまったくの事実無根で、部長の話自体を他社でまったくしたことがないのなら、当然、

「事実無根です。ウソだと思うのなら、他社の人に聞いてください」

などと全否定すべきです。やってもいないことを認める必要はありません。しかし問題なのは、部分的に事実である場合、あるいはまったく事実である場合です。

こうした際には、「確かに○○したけど、××はしていない」といったように、事実にあたる部分については、先手を打って認めたうえで反論しましょう。例えば、悪口は言っていないにせよ、実際に他社で部長の話をしていたとします。そうした際には、

「他社で部長の話をしたのは本当ですが、悪口などいっさい言っていません」

と「他社で部長の話をした」という点は認めたうえで、「話したのは悪口ではない」という争点で反論するようにするのです。

このような場面でいちばんまずいのが、反射的に「それは、まったくのデマです」などと雑な言い方で全否定すること。

それをやってしまうと、あとで周囲から「先方に聞いたら、やっぱり部長の話をしてたらしいじゃないか」といった事実が出てきたときに、「アイツ、隠してた」となって話を聞いてもらえなくなってしまいます。だからこそ、事実にあたる部分は先手を打って認める。これが大切なのです。

噂が事実だった場合どうするか

では、さらに一歩進んで、悪い噂がまったくの事実であった場合はどうするのか? 例で言えば、実際に他社で部長の悪口を言っていた場合はどうすればいいのか? 

謝罪で済めばいいのですが、現実問題「認めたら終わりだ」という場合だってあるでしょう。

こうした場合でも、まだ争点を作る方法はあります。

その1つが、次のように「主観」を利用して反論する方法。

「確かに部長について冗談を言ったのですが、それが先方には悪口に聞こえてしまったのかもしれません」

つまり、こちらの不利な事実について、「そう見えたかもしれない」「そう聞こえたかもしれない」と、周囲の主観の問題にすり替えるのです。 こうした主観を利用した反論は、昨年よく目にしたパワハラの謝罪会見などでも利用されています。いわく、「パワハラだと“思われた”のなら謝罪する」といった具合に。

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