新人もベテランも「メモ」を取るべき科学的根拠

メモを取らない人の仕事はかなり非効率だ

ここで、ワーキングメモリとその容量の小ささを実感してもらうために簡単なテストをしましょう。まずは次の文章を読んでみてください。

「上司の木下課長に呼ばれ、高橋工業宛に会社案内のPDFを送ってほしいと依頼されました。自分のデスクに戻ると、見積もりを待ちわびていた渡辺金属から新着メールの通知。見積もりの結果次第では、いまいち営業担当者が信用できない城島産業と仕事をしないといけません。期待と不安でメールを開き、添付されていたファイルを開こうと思った瞬間に電話が入りました。佐藤通信から上田先輩宛てでした。電話をつなぎ終えるとスマホのライン通知。学生時代の悪友、広瀬から飲みの誘いでした」

ワーキングメモリは「注意」によって成り立つ

さて、会社案内はどこに送らないといけなかったか、思い出せますか? あなたは今、「頭の中がパンパンになった」感覚があると思います。それがまさにワーキングメモリがいっぱいの状態です。会社名や人名でワーキングメモリが埋まってしまったのです。

ワーキングメモリが貯蔵できる事象は、せいぜい7つ前後(7±2)と言われていますから、これは当然です。また、最近の研究ではもっと少なく、4±1という説もあるほどです。

(出所)『図解 仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』

もう少し詳しく説明すると、新しい情報を記憶するにはそれに「注意」を向ける必要があります。

この場合、「注意」とはいわば、情報をつかむことができる「腕」であり、ワーキングメモリでの「記憶」とは、「情報がその腕につかまれている状態」だと表現することができます。

そして、この腕は7本ないし4本前後しかないわけです。図のように、注意の腕でつかんでいるときは「確かに覚えている」と感じても、新しい情報をつかむために元の情報を放してしまえば、あっさりと忘れてしまうのです。

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