愛用の時刻表はどれ?「西村京太郎」創作の秘密 誰もが知りたかった疑問を鉄子が直撃
――時刻表はどちらの出版社のものを使っていますか?
どっちだったかな……。
だって中身違うわけじゃないよね? あ、でも毎月持ってきてくれるのはこっちだね。
例えばここ、外房線で平日と土日で発車時刻は同じなのに、東京駅での到着時刻が違う。
これはなぜだろう、と調べていくと、使っているホームが、平日と土日だと違ったりしているわけ。東京駅の一番深いところに列車が行くと、その分時間がかかって、列車の到着時刻が微妙に違ってくる。1~2分あれば人が殺せるからね。
――よく見つけられますね! そういうところからトリックを考え出すのですね。
毎日見てるから。時刻表を見ていると、その矛盾に気づくよね。土日運休とかね。その到着列車が何番線に入ってくるのかまでは時刻表ではわからないので、あとは東京駅に電話して聞いたりね。
どうやってトリックを作る?
――時刻表からトリックを作られることが多いですか?
全部が全部そうじゃないけどね。例えば駅と駅の間の時間がやたら長いところがあるじゃない。なぜ長いのか?と調べると、実はそこですれ違い停車などがある。降りられないが、駅で列車が停まっているので、そこで殺すとかね。 殺すには十分な時間もある。
――殺す時間(笑)。なるほど、次のテーマとなる路線を決めたら、その時刻表を徹底的に調べるわけですね。
出版社に来年はこの路線でお願いします、とか言われるんだよね。でも秘境駅が多い路線だと、駅がなくなっちゃうときがあるんですよ。仙山線の八ツ森駅は書いてるときになくなっちゃったんだよね。
――えっ、それは話として困りますよね。どうされたんですか?
仕方ないから、過去の思い出のシーンということにしたんだよね(笑)。
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