「2014年、日本・中国には期待できる」 大橋徹二コマツ社長に聞く

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1月1日、コマツの大橋徹二社長はインタビューで、2014年の事業環境について、資源国で鉱山機械の需要低迷が続く一方、日本や中国での事業には期待が持てると述べた。写真は都内の同社前で2013年1月撮影(2014年 ロイター/Shohei Miyano)

[東京 1日 ロイター] -コマツ<6301.T>の大橋徹二社長は、ロイターなどとのインタビューで、2014年の事業環境について、資源国で鉱山機械の需要低迷が続く一方、日本や中国での事業には期待が持てると述べた。

日本は震災からの復興や老朽化したインフラの再整備などで向こう5年間は強含みで推移すると指摘。中国は建設機械の需要が底を脱し、販売が回復してきたという。

鉱山機械はシェールガスの生産増加に伴う石炭価格の下落で、鉱山開発事業者の新規機材の導入が低迷している。ただ、これまで販売した鉱山機械の稼働時間は落ちておらず、部品やアフターサービスの需要を取り込んでいく考えだ。

インタビューの詳細は、以下の通り。

──2014年の展望は。

「期待できるのは日本と中国。日本では、排ガス規制が強化されることから、主要顧客の建機レンタル大手を中心に駆け込み需要が発生している。中国の建機販売は8月から11月にかけていい動きをしている。ただ、全体のボリュームについては(需要が集中する)春節明けの商戦にかかっている」

「厳しいのは、どの地域というより鉱山機械。インドネシアにおける新車販売はこれ以上、落ちようがない。急回復は見込めないが、今年以上は悪くならない。ただ、鉱山機械事業は新車の販売以外に、部品交換やアフターサービスがある。現在は、鉱山開発事業者がオペレーションコストを低減するために、オーバーホールまでの期間を長くしたり、在庫の部品を使ったりしているが、それもどこかに期限がある。中国やインドネシアなどでは鉱山で機械の稼働時間は落ちておらず、部品の需要は根強い」

──中国の今後の需要見通しは。

「以前のように一本調子で伸びるということはないだろう。1件1000万元以上の工事許可件数を見ていると、民間会社の工場建設の工事件数は増えているが、国営企業の工場建設はそれほどない。中国政府は、安定的な成長を目指して、コントロールしている感じだ」

「また、中国政府が国内の石炭の鉱山をどのようにしていくのか、というのもひとつある。中国では国内で採掘した石炭を消費することが圧倒的に多いが、燃やした時に粉じんがでるとかいう噂も聞いている。環境規制がどうなるのかなどについても注目している」

──日本では国土強靭化基本法が成立し、2020年にはオリンピックもある。国内市場の中長期的な見通しは。

「今後、5年間は強いと思っている。1990年頃、日本の建設投資は70─80兆円あったが、今は40兆円から42、3兆円まで落ちてきた。余剰な中古建機が輸出に回され、建設投資の状況に見合う保有台数に調整されてきたところに、東日本大震災が起きた」

「震災の復興だけでもかなりの建機が必要なのに、老朽化した道路や橋を修復したり、オリンピックの準備をしたりしなければならない。5年くらいは保有台数を積み上げないと対応できない」

──国内では、建築・土木の現場で労働者不足が起こっている。オリンピックなどに向けてコマツの自動運転の技術などがさらに必要になると思うが。

「建設投資が落ちた中で、労働者や技能者も大分減った。増やそうとしているものの、今はなかなか集まらない。日本では自動化や半自動化などによって、熟練オペレーターではなくても機材を扱えるというニーズが間違いなく増える。今後10年間では有効だ。米国でも労働力はあるが、ブルドーザーのようなものは熟練オペレーターが集まらなくて苦労している」

(インタビュアー:杉山健太郎、編集:田巻一彦)

*インタビューは12月25日に行った。

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