米雇用統計、3月は19.6万人増に持ち直す 時間当たり賃金は0.1%増、失業率3.8%
[ワシントン 5日 ロイター] - 米労働省が5日発表した3月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が19万6000人増と、前月の17カ月ぶりの弱い伸びから加速した。温暖な気候を受け建設業などで雇用が増えた。米経済が第1・四半期に急減速したとの懸念が後退する可能性がある。市場予想は18万人増だった。
2月の数字は当初発表の2万人増から3万3000人増へ小幅に改定された。2月の増加数は17年9月以来の低水準だった。
今年の月間雇用増加ペースは平均で18万人と前年の22万3000人から鈍化したが、労働年齢人口の伸びを維持するのに必要な約10万人をなお上回った。
エコノミストらは19年の雇用の伸びが月々平均して15万人増となるとみている。
米国の求人数は約758万人。3月は22万4000人が労働市場から離脱したため、求人数は高止まりする可能性がある。労働力人口のうち就職している者もしくは求職中の者を表す割合、いわゆる労働参加率は3月に63.0%と2月の63.2%から低下した。2月は5年超ぶりの高水準だった。
時間当たり賃金は3月に前月比0.1%(4セント)増だった。前月は0.4%増加していた。3月の前年同月比は3.2%増。2月は3.4%増と、09年4月以来の大幅な伸びだった。3月は緩慢な伸びとなったことで、個人消費に関する不安が浮上するかもしれない。個人消費は1月に停滞した。
失業率は前月から横ばいの3.8%だった。連邦準備理事会(FRB)は年末までに3.7%になるとの見通しを示しているが、その水準に迫った。
平均週間労働時間は前月の34.4時間から34.5時間に増えた。
全米連邦信用組合協会(NAFCU)の首席エコノミストは「今回の統計は適温水準。雇用の伸びが持ち直して景気後退懸念が和らぎ、インフレ懸念を引き起こさない程度に十分堅調な形で賃金が増えた」と指摘。「金利据え置き姿勢を下支えする内容で、FRBには朗報」と話した。
ベレンベルク・キャピタル・マーケッツのエコノミストは「第1・四半期は困難に直面したが、第2・四半期のスタートに際し景気の勢いが増した」と語った。
3月の雇用の内訳は、建設業が1万6000人増と、前月の2万5000人減から持ち直した。レジャー・接客は3万3000人増。中でも外食が2万7300人増えた。
専門職・企業サービスは3万7000人増だった。政府は1万4000人増加した。ヘルスケアや運輸・倉庫、金融、公益、情報サービスもプラスだった。
一方、製造業は6000人減と、17年7月以来初めてマイナスとなった。前月は1000人増だった。製造業のうち自動車・同部品は6300人減だった。自動車メーカーは、売り上げが減速し在庫が膨れ上がる中で何千人もの人員削減に動いている。
小売は2カ月連続で落ち込んだ。
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