アーバン+パークで東武野田線はこう変わる 関東私鉄で唯一の外縁周回路線を強化

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東武で最先端の車両を導入

具体的なハード面の改善策も進められている。その1つが、新型車両の導入だ。これまでは伊勢崎線などで走っていた“お下がり”の車両が多かったが、新たに野田線のための新車両60000系を導入。鉄道ファンや沿線住民から驚きの声が上がった。

この車両は「人と環境にやさしい車両」をコンセプトに設計された。発進と停止が多い各駅停車路線に合った車両にしたという。電気使用量は従前の8000系車両に比べて40%削減。東武では初となる公衆無線LANサービスや車内案内ディスプレー、LED照明を採用しており、同社の中でも最先端の車両といえるだろう。2013年6月から2編成12両が運行を開始しており、2013年度内にさらに計6編成36両が導入される予定だ。

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岩槻駅のリニューアル後の完成予想図

さらに、駅舎の改修や高架化も進められている。2013年7月に運河駅を橋上駅舎化、2014年度中には岩槻駅でも橋上駅舎化・リニューアルを予定している。

また、可動式ホームドアを船橋駅(2014年春)と柏駅(2015年春)に設置する。東武にとってホームドアの設置は野田線が初となる。これに合わせ、船橋駅ではコンコースのリニューアルを行う予定だ。清水公園―愛宕間では2017年度の完成を目指して、高架化も進められている。

速達列車の未導入が課題

着々と進む改善策の一方で、物足りなさを挙げるとすれば、急行などの速達列車が導入されていない点だろう。たとえば、船橋から大宮までの所要時間は標準で1時間35分。JRを乗り継いで行けば、乗り換え回数や運賃はかかるが、1時間強で着いてしまう。柏―大宮間も同様で、野田線だと標準所要時間は1時間04分だが、JRを使えば、時間帯にもよるが1時間で到着するケースが多い。

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