米リフト上場、「国産ライドシェア」は広まるか 都心での配車も可、タクシー業界は猛反発

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安全にかかわる事件や事故は命取りになるだけに、今年初めには1ヶ月間サービスを休止し、安全対策の強化のため機能をアップデートした。もともとドライバーは面接を受けなければ登録できなかったが、今年に入ってからは安全講習の受講を義務付けている。

もっとも、現在のスキームでクルーが成長していけるかとなると心もとない。これまではドライバー、利用者ともに一部の最先端の流行に敏感な層に限られていたから成り立っていた側面がある。

任意である以上、いくら謝礼をもらえるかわからない中でクルーのドライバーを務めているのは、日中の仕事で収入があり、夜に趣味で愛車を走らせていたクルマ好きが中心。人を乗せて、なにがしかの謝礼を得られるので悪くない。一方、利用者も最新サービスへの関心や理解が高く、謝礼は良識の範囲であることが大半。結果として、ドライバーはそれなりに稼ぐことができた。

約1割の利用者が「謝礼0円」で利用

しかし、あるドライバーは「正直、最近は態度が悪く、謝礼もあまり払ってくれない利用者が増えた」と証言する。実際、アプリ内の「ドライブ事例検索」という機能を使えば、乗車時間あたりどれくらいの謝礼が支払われたかを調べることができるが、10分の乗車で11.5%、20分の乗車で10%の利用者が「謝礼0円」で利用していることがわかる。

サービスが広がっていけば、安さだけを求める利用者が増えることも避けられない。だが、これではドライバーを増やしていくことは難しい。

吉兼CEOは「ドライバーの確保は難しい問題だが、まだその段階にはない。まずは安心安全なサービスの確立に全力をあげる。移動サービスとして、スターバックスやディズニーのようなブランドを築くために、ドライバーには金銭的な動機よりも、ホスピタリティを求めたい」と話す。

本格的なライドシェアを禁止したまま、謝礼頼みの配車サービスを成長させることは容易ではない。政治力のあるタクシー業界の反発を受ける中、日本でクルーの挑戦は実るのだろうか。

森川 郁子 東洋経済 記者

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もりかわ いくこ / Ikuko Morikawa

自動車・部品メーカー担当。慶応義塾大学法学部在学中、メキシコ国立自治大学に留学。2017年、東洋経済新報社入社。趣味はドライブと都内の芝生探し、休日は鈍行列車の旅に出ている。

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