カゴメが伊藤園を圧倒する個人株主獲得の要諦

株主総会で見せた「手厚い株主対策」とは?

3月下旬に行われたカゴメの株主総会の会場では、商品や事業内容を記した大型パネルが設置されていた(記者撮影)

3月27日に開かれた、トマト加工品大手・カゴメの株主総会。会場になった名古屋国際会議場に足を運んだところ、そこにはほかの企業の株主総会では見慣れない風景が広がっていた。

会場ロビーにずらりと並んでいたのは、カゴメの商品や事業内容を記した大型パネル。カゴメの歴史を振り返るパネルも設置されていた。それぞれのパネル前に人だかりができており、同社の社員が内容を丁寧に説明していた。

同ロビーではカゴメ社員の管理栄養士による健康セミナーも開かれており、株主で席が埋まっていた。蛇口をひねるとトマトジュースが出てくる仕掛けの試飲コーナーも設けられていた。

際立つ個人株主比率の高さ

こういった取り組みは、カゴメが進める「株主ファン化政策」の一環だ。同社は、個人株主のことを「ファン株主」と呼び、囲い込みを徹底しており、現在、株主数ベースでは個人株主が99.5%を占める。

また、所有株式でも個人が60%以上を握っており、よく比較される飲料メーカー・伊藤園(25%)や調味料メーカー・キユーピー(26%)に比べて、同社の個人株主比率の高さは際立っている。

カゴメが個人株主を“もてなす”のは、長期保有してもらえれば株価の下支え役になる、という理由だけではない。個人株主は、業績を左右する大きな要因にもなっているのだ。「ファン株主は、カゴメ製品を非株主の10倍も購入する」と語るのは、カゴメのIR担当・仲村亮氏。カゴメの全売上高のうち約3割を、株主など上位2.5%のコアな消費者が占める。

モノが売れない時代、企業にとって、企業そのものや商品に愛着を持ってもらう「ファンマーケティング」の重要度は増してきている。カゴメはなぜ、自社製品の上顧客にもなる個人株主の裾野を広げることができているのか。

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