氷河期世代の転職は「今」が絶好のチャンスだ 正社員の有効求人倍率は1倍を超えている

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正社員の有効求人倍率の伸びはこの10年で著しく回復しました。実は2008年ごろに0.3倍あたりをうろうろしていてひどい状況だったものが、2010年以降はほぼ一直線に回復が続き、2017年6月に1倍を突破して以降、1倍を超える状態が続いています。

ごくごく簡単にいえば、転職希望者10人に対して求人票が3枚くらいしかなかった(つまり0.3倍)ものが、今では11枚あるようなものです(つまり1.1倍)。もちろん希望に沿わない求人票もたくさんあるでしょうが、時代の変化の大きいことはよくわかります。

ある42歳の女性は、ダメ元で転職サイトに登録してみたら、思いのほかオファーがあって驚いたそうです。もちろん年収が低くブラック企業のような案件も混じっていますが、まじめに検討に値する案件もあって、真剣に転職を考え始めたそうです。

マネープランは大きく改善

今回、特に転職チャレンジをすすめたいのは、新卒の就活でひどい目にあった団塊ジュニア世代です。年齢でいえば45歳に達する人たちが出始めている世代です。

「今さら45歳で転職?」とか「43歳で正社員になっても……」と思う人もいるでしょう。しかし、45歳前後での正社員へのステップアップがうまくいけば、人生を通じたマネープランは大きく改善します。

仮に45歳から正社員になり、65歳まで働いたとします(今から15年後には定年が65歳になることはほぼ確実です)。仮に非正規の人の年収が今のままより250万円増えてその後そのまま維持されたとすれば、生涯賃金では5000万円アップします。200万円くらいの年収が450万円になるようなものですから、決して不可能な話ではありません。社会保険料や税金が増えたとしても、必ず手取りは増えます。

そして正社員登用されれば社会保険も適用されますから、老後に厚生年金をもらえます。22歳からずっと正社員であった場合に比べれば減ってしまうものの、月7~8万円くらい厚生年金をもらえれば、老後の25~30年を通じて2100万~2880万円くらいの収入増の可能性を秘めています。

さらに退職金です。退職金は正社員にのみ支給されるのが一般的なので、退職金の権利も得ることができます。これも45歳からの勤続分しか反映されませんし、各社の水準は異なるので一概にはいえませんが、700万~1000万円くらいになれば十分に大きな老後の支えです。

賃金、退職金、厚生年金のすべてを合計すると、うまくいけば人生の収支が1億円近い水準で改善されることになります。大きなインパクトです。

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