FRBの明るい景気認識の裏にある不都合な真実

世界的な成長鈍化に歯止めはかからない?

 3月21日、パウエルFRB議長(写真)は、20日までのFOMC後の会見で、ファンダメンタルズは「非常に強く」、経済は「良好な状態」にあり、先行きは「明るい」と強調した。ワシントンで20日撮影(2019年 ロイター/Jonathan Ernst)

[サンフランシスコ/ワシントン 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、20日までの連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、ファンダメンタルズは「非常に強く」、経済は「良好な状態」にあり、先行きは「明るい」と強調した。

その半面でFRBは、米経済が急減速していると認め、物価上昇率は引き続き2%の目標に届かず、賃金は増加しても失業率は上がると予想している。

一体どういうことかと言えば、FRBが「ニューノーマル(新標準)」を完全に受け入れている証拠なのだ。新しい世界では、物価上昇力がずっと弱いままで恒久的に経済成長が鈍化し、金利も低水準にとどまり続けるので、FRBは次の景気悪化局面が到来した際に、伝統的な手段で金融緩和を実施する余地はほとんどない。

これは、2012年の導入以降物価目標を達成できずに時間が経過してきた点を踏まえれば、FRBの信認を脅かす事態だ。また解消されない需給ギャップを埋めるには、財政や社会福祉といった金融政策以外の措置が必要なのではないかとの議論も高めている。

「この問題でFRBには反省が求められる気がする」と話すのはオレゴン大学のティム・デューイ教授(経済学)だ。デューイ氏は、FRBが見通しを突然下方修正したのは、既に利上げが行き過ぎだった可能性があることを物語るとみており、「経済の定常的な停滞という説がある部分で現実化しているのは間違いない」と主張する。

新たな不安要素が出てくる懸念

今回のFOMCでは17人のメンバーのうち少なくとも9人、最大で15人が、政策金利見通しを引き下げ、大半が年内の利上げはないと見込んだ。大勢としては米経済が昨年に比べて勢いを弱め、今年の成長率は2.1%前後になると予想している。

成長にブレーキをかけて物価を抑える上で、どこまで利上げする必要があるかといったことは、もはや過去の話題と化した。どちらかと言えばFRBの懸念は今、物価水準が依然として企業や家計の先行き期待を損なうほど低いという逆の方向にある。企業や家計が支出に対してより慎重な姿勢になれば、新たな成長の足かせになりかねない。

一部のアナリストにとって、こうしたFRBの方針転換はある種の警戒信号と受け止められている。

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