韓国で続く「協同組合」設立ブーム 1年で3000以上、フランチャイズよりずっとラク
韓国の協同組合はまだ始まったばかりだ。現段階では肯定的な評価が多いが、さらに補完し、解決すべき部分も多い。企画財政省の調査によれば、認可後に運営する協同組合は全体の54.4%に過ぎない。手続きを知らずに法人化手続きを済ませていなかったり、つくるだけつくってその後の管理をきちんとしていない協同組合が半分近いということだ。
運営中の協同組合も大部分が零細規模。協同組合の正職員の平均給与は147万ウォン(約14万円)で、非正規職員は114万ウォン(約11万円)ほど。協同組合も厳然とした独立法人であることを考えると、自力で経営できる力を持つのは簡単ではない。政府からの支援金を受けるために雨後の竹の子のように増えた「社会的企業」の前轍を踏みそうだという指摘も出てきた。
趣旨を無視し、政争の具にする韓国政治家
協同組合法改正をめぐっては、政界での対立も深い。与党セヌリ党は「現行の協同組合制度が政治的に悪用される可能性が高い」と法改正に動き出した。最大野党の民主党は、協同組合が活性化されるように支援をさらに増やすべきとの立場だ。
最近、セヌリ党のイ・イジェ、キル・ジョンウ議員は「協同組合基本法施行1周年評価と今後の課題」というセミナーを開いた。このセミナーでは、協同組合を政治的に利用したり、組合としての条件を十分に備えていない協同組合が乱立することを防ぐ方法について議論された。「2019年まで協同組合を8000設立する」と明らかにしたソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長に対抗する動きとする見方も出ている。
民主党は協同組合の活性化に焦点を合わせている。協同組合に対する税負担引き下げと経営諮問などの支援はもちろん、地方自治体が協同組合に直接出資できる方向で法改正を推進中だ。だが、これも政界ではお互いの利害関係に従って平行線をたどっている。政界の対立に巻きこまれ、まずはさい先の良いスタートを切った協同組合運動がわい曲してしまうのではと心配する声も出てきた。
(韓国『中央日報エコノミスト』2013年12月16日号、『中央日報エコノミスト』は『週刊東洋経済』と提携関係にある韓国有数の経済誌です)
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