韓国で続く「協同組合」設立ブーム 1年で3000以上、フランチャイズよりずっとラク
協同組合が増えたぶん、ユニークな試みも多く見られた。協同組合の設立形態はほぼ制限がない。投機目的や特定少数の組合員のみの利益を狙う事業、特定政党を支持したり公益に反する事業でなければ、どんな協同組合も設立できる。これこそ、さまざまなアイデアから生まれた協同組合が多く登場するきっかけとなった。これまで社会的弱者だった人たちが集まって正当な権利を要求するようになったり、社会的に意義あることを訴え始めたりと、まさしく社会において肯定的な効果を出している協同組合も多い。
その代表例が、親環境的な工芸品を制作する「協同組合オンリ」だ。ここでは、地域で捨てられる廃材を利用して再生可能な工芸品を製造し販売する。廃材を集めるために必要な人材は、地域内の老人クラブのような団体と連携して集めてもらう。これによって、老人への雇用創出も実現。同時に、環境保護にも役立つことを立証した。
外国人女性らも組合を結成
13年7月、韓国電力が行った「協同組合ビジネスモデル発掘」事業において、最終選考に残った9つの協同組合のうち一つだけ選ばれたのは、韓国南西部・全羅南道光州市に住む外国人女性が集まってつくった「ドリームインターナショナル協同組合」だ。彼女たちは結婚などの理由で韓国に来た。外国人女性の組合員は直接訪問したり、あるいはネットを使って英語を教え、ひと月に30万~40万ウォン程度の収入を得る。
それまでの彼女たちは、仮に一般の語学学校で働きながらも、正当な報酬を得ることができなかったという。給与の遅配は日常茶飯事で、特別な理由もなく突然解雇されることもあった。今では、授業がなければ事務所に集まって教育用教材を開発、販売することもある。一般の授業料と比べ安い価格で英語を学べるため、地域社会での反応も良い。同組合のローズマリー・B・メランダ理事長は「給与が少し低くても、お互いを理解し助け合う人たちとともに働くことができて本当に幸せ。組合をさらに発展させ、多くの移住女性の人権を保護し、家庭事情がよくない子どもたちも勉強ができるようにしてあげるのが目標」と夢を膨らませる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら