東武鉄道が取り組む「埼玉への移住促進」大作戦

県と組み空き家活用、子育て世代にアピール

今後「もっとずっとプロジェクト」はどのような方向に動いていくのだろうか。東武の担当者は「今はまだ『種まき』の時期と思っている。成果はこれから出てくるだろう。基本的には来年度以降も広報を厚くしていく。そして県との接点もできているので、そういったところも絡めたイベントやセミナーを行っていきたい」と語る。

つまり、現在の取り組みは私鉄と自治体連携の第一歩だというのだ。そして今後は「住み替え支援にとどまらず、県内の老朽化した団地の再生や埼玉県内の大型開発プロジェクトを一緒になってやるなど、最終的にはそういったところまで共に取り組みたい」(東武担当者)という。筆者としては東武の狙いはこちらにあるのではないかと感じる。

埼玉県の東武沿線にはニュータウンや団地が多い。草加市にある松原団地のように建て替えの進む新しい団地もあるが、古い団地は高齢化が全国平均よりも速いペースで進行している。今回の住み替え支援はこうした大きなインパクトのあるまちづくり・まち再生の取り組みをする第一歩といっていいだろう。

今後のカギは「埼玉らしさ」

とはいえ、こうした公民連携の取り組みはほかの在京大手私鉄も行っている。実際、東急電鉄は3月6日に大田区と「地域力を活かした公民連携によるまちづくりの推進に関する基本協定」を締結しており、まずは池上エリアで遊休資産のリノベーションをはじめとした取り組みを始める。

これは、社会資本ストックを活用したまちづくり・まち再生という面から見れば東武の住み替え支援と似通ってもいる。だからこそ、住み替え支援だけではないさまざまなメニューを展開していく必要があるだろう。

始まったばかりでまだまだ成果もこれからの「もっとずっとプロジェクト」。今後はより多彩なメニューを展開することがプロジェクト成功のカギだろう。そして、その中では「東武らしさ」、そして「埼玉らしさ」といったコンテンツが重要になってくるはずだ。

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