中央線・西武・東武、まるで異なる「沿線地形」

同じ起点でも「上る」池袋線と「下がる」東上線

国分寺―西国分寺間を走るJR中央線の車両。画面奧の西へ向けて比較的単調に標高を上げていくのが中央線の特徴だ(筆者撮影)

都内のJR線、私鉄線とも、沿線の地形は各線で大きく異なる。とくに渋谷、新宿、池袋をターミナルとして西へ向かう路線で顕著である。それは敷設の歴史的背景によることが多い。

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地形の違いがなぜ歴史と関係してくるのだろうか。前回の記事、「京王と小田急、地形断面図でみる車窓の特徴」では、両路線の地形の違いが、江戸時代以来の甲州街道の往来客を乗客として想定して開業した路線(京王)と、都心と郊外のベッドタウンとを直結させる郊外電車として開業した路線(小田急)の相異として述べた。

大正初期生まれの京王線が比較的平坦だったのに対し、昭和ヒトケタ生まれの小田急線が、丘に上り谷へ下るのを繰り返すといった凸凹地形を走ることが特徴的だった。

西へ向け標高を上げていく中央線

今回はまずJR中央線の路線断面図から述べてみよう。 

図1 中央線新宿―八王子間の断面図(図表:『地形と地理で解ける!東京の秘密33 多摩・武蔵野編』より加工)

新宿を出て、大きく西へカーブしながら神田川の谷へと標高を下げた後、立川までの約25km、地図で見ると一直線に真西へと突き進む。この間ほぼ単調に標高を上げ続ける。立川までに約50mを上る。途中若干の波乱があるのは、荻窪の先で善福寺川、国分寺の先で野川の谷を越える地点、および国立の手前で国分寺崖線という崖を横切る地点のみである。

なお中野―立川間の線路は高架化がなされている。断面図は線路がある位置の本来の地形による。敷設された時の地形といってもいい。

中央線の断面図がこうした特徴となるのは、この区間が武蔵野台地の中央部を西に向かって走るためである。武蔵野台地は北を荒川、南を多摩川に挟まれる形の台地で、東が低く西に向かって緩やかに高くなっている。台地の中では神田川や石神井川などが流れ出し、台地を浸食し谷を成している。

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