FRBは、いつ利上げに着手するのか ロイター調査:量的緩和終了から次のステップヘ
[ロンドン 20日 ロイター] -ロイター調査によると、米連邦準備理事会(FRB)が2014年末までに債券買い入れを終了し、2015年後半に利上げに着手するとの見方がエコノミストの間で大勢となった。
FRBは17─18日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で資産買い入れの月額100億ドル縮小を決定した。発表前、アナリストの間では来年まで緩和縮小が見送られるとの見方が優勢だったが、市場はFRBの決定をポジティブに受け止めた。
バーナンキ議長はFOMC後の記者会見で、雇用の伸びが予想通り継続すれば、2014年の大半を通じて「慎重な(measured)」ペースで買い入れを縮小する公算で、2014年終盤までに終了するとの見通しを示した。
ロイター調査では、エコノミスト60人中55人が議長のこの発言について、FRBが来年、毎回のFOMCで月次の債券買い入れ額を100億ドルずつ減らし、2015年までにゼロにすることを意味すると解釈した。
レイモンド・ジェームズの首席エコノミスト、スコット・ブラウン氏は「買い入れ縮小はいつか始まる必要があった。FRBは買い入れのペースを落とすが、引き続き緩和を提供することに変わりはない」と述べ、「状況に応じて縮小のペースを加速または減速する余地が十分ある」との見方を示した。
FRBは18日、債券買い入れを縮小する一方で、これまでの想定よりもさらに長期間、低金利を維持する可能性を示唆した。
エコノミスト60人のうち半数の30人は、利上げ開始時期を2015年下期と予想した。残り30人の大半は15年上期、少数のエコノミストは2016年と予想した。
TDセキュリティーズのシニア米国マクロストラテジスト、ミラン・ムルレーン氏は「2015年終盤が利上げ開始時期になる見通しだが、インフレが引き続き失望を誘う水準で推移した場合、先送りされるリスクがある」と述べた。
18日の量的緩和縮小発表については、エコノミスト58人中46人が適切なタイミングだったと答えた。
G+エコノミクスのディレクター、レナ・コミレバ氏は「1月に縮小するとの決定を事前に発表したのは配慮ある慎重な措置だった」と評価した。
今回の調査では、金融政策の道筋について強いコンセンサスが形成されていることが示されたが、複数のエコノミストは、FRBの意図にかかわらず今後の経済指標の動向が最も重要な要因になると指摘した。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら