「代表取締役名誉会長」は何する人ぞ? JR東海が新設した、聞き慣れない役職の狙い

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JR東海が発足した1987年には46歳で取締役総合企画本部長となり、代表取締役副社長に就任したのが1990年(1995年に社長、2004年に会長)。つまり、代表権を持つ取締役となってから20年以上が経過している。

社長に就任する柘植康英氏(60歳)は12月16日の会見で、葛西会長が代表権を持ったまま名誉会長に就くことについて、「米国など海外展開には人的関係が重要。それを意識し代表権を残した」と、その理由を述べた。

13年6月に実験線で初走行したL0系リニア(撮影:尾形文繁)

一方、2010年から社長を務めてきた山田佳臣社長は代表取締役会長に就く。「中央新幹線リニアは自治体との関わりもあるので、引き続き代表取締役として携わることが大きな力となる」(柘植氏)というように、リニア着工への道筋をつける役割を担う。

海外が葛西氏、リニアが山田氏と位置づけ、柘植新社長を含めた3人の代表取締役で、JR東海が抱える大プロジェクトを軌道に乗せていくわけだ。

柘植氏が会見で「この時期に大役を務められるのは、たいへん光栄」と述べたように、JR東海は2014年に東海道新幹線開業50周年を迎える。さらに、リニア工事の認可申請の準備が進んでおり、早ければ2014年度中の着工が見えてきている。

 大きな節目の年であるだけに、JR東海を知り尽くす葛西氏にはまだまだ会社の”顔”の一人であってもらいたい、ということなのだろう。国内のリニアだけでなく、悲願の新幹線やリニアの輸出を果たせるのか。2014年4月の新体制の発足は大プロジェクト実現に向けた試金石となる。

井下 健悟 東洋経済 記者

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いのした けんご / Kengo Inoshita

食品、自動車、通信、電力、金融業界の業界担当、東洋経済オンライン編集部、週刊東洋経済編集部などを経て、2023年4月より東洋経済オンライン編集長。

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宇都宮 徹 東洋経済 記者

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うつのみや とおる / Toru Utsunomiya

週刊東洋経済編集長補佐。1974年生まれ。1996年専修大学経済学部卒業。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信の担当を経て『週刊東洋経済』編集部に。連載の編集担当から大学、マクロ経済、年末年始合併号(大予測号)などの特集を担当。記者としても農薬・肥料、鉄道、工作機械、人材業界などを担当する。会社四季報プロ500副編集長、就職四季報プラスワン編集長、週刊東洋経済副編集長などを経て、2023年4月から現職。

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