《就活座談会》本当の就職氷河期は来年か--私たちは第2ロスジェネ? 安定志向は強いです
--就職環境が一転しましたが、今の状況をどう考えていますか。
Aさん 厳しくなるという声もありますが、そこまで意識はしていません。厳しかろうが、最善を尽くせばいいんじゃないかなと。
Eさん 総合商社を希望していますが、金融危機があってから外資系の銀行の人気がなくなっている。優秀な人が、ある程度安定している業界や日本の企業に流れてきている実感があって「何だよ、こっちに来やがって」という思いがあります。
Bさん 経済が急速に悪化しているので、堅いところに行こうという流れはあると思います。だけど昔の経験から企業側は、ここで採らないと組織のバランスが悪くなるので、急激な採用減はないと思っています。
Dさん 私が行きたい銀行は、「370人を300人にします」と言っていた。70人も減りますが、300人だったら300人と思って頑張るしかないなと思っています。
--2009年卒業生の内定取り消し問題で意識は変わりましたか。
Cさん 規模にこだわらず、やりたい仕事ができるところに行こうと思っていましたが、潰れたら意味がないので、ある程度大きいところを選ぼうと、考え方が変わりました。
Eさん 思い込みかもしれないけど、大手に入れれば大丈夫なんじゃないかなというのもあります。
--超売り手市場だった少し上の世代や、さらにその前の世代と比べて、今の境遇をどう思いますか。
Cさん 上の先輩から、売り手市場だということをすごくアピールされて、来年も大丈夫だよと言われていた。「失われた10年」の青春を過ごしてきたけど就職では報われる(笑)、と思っていたらフーッと下がったので、2年前ぐらいの人たちはやっぱりうらやましいと思います。だけど、ロストジェネレーションのときの人たちよりはマシではないかと。
Dさん ゼミの先生に、「かわいそうだけど、まあ頑張れよ」って。
Aさん そういうのはあります。「こうなっちゃったね」みたいな。
Bさん 周りが気を使いすぎているかなって思う。「氷河期やばいよね」って言われるけど、乗り越えればソコソコ根性はつくし、離職率も低いのではないかと。むしろ大量採用だと、「受かっちゃって万歳」みたいな人が多いんじゃないかな。
Eさん 氷河期になったほうが自分のことを見つめられるし、いろいろ業界を見てみようというふうに視野も広がると思う。ピンチになったからこそ、時間をかけて自分の将来に向けて考えて就職活動も行えると思う。一つ上の先輩の中には、「はたしてどれぐらい働けるのかな」と疑問に思う人もいる。
Cさん むしろ後輩たちからは、「先輩たちが最後。私たちのときのほうがもっとひどい」と。ニュースでもこれからさらに悪くなると言っているから、そう考えているみたい。
--他の人も「失われた10年」の青春時代だったという認識はある。
Aさん 僕はない。
Bさん まったくない。それが当たり前だと思っている。逆にバブルを知らない世代なので。どれぐらい儲かっていたとか、どれぐらい羽振りがいいのかもわからないし。
Aさん バブルの時代はすごいとは聞いていますけど。
Bさん 六本木でタクシー代10万円使ったという話とか。
Cさん 「俺、バブルの頃、こうやってタクシーを停めていたよ」と本当に話していて、ああ、おとぎ話じゃなく、本当に存在するんだなと。