まだある?全国のJR線「残念な最寄り駅」10選 下調べ必須、とても歩ける距離でない場合も

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8)善通寺駅(JR土讃線)

弘法大師ゆかりの寺善通寺。その最寄り駅善通寺駅から善通寺までは1.4kmほど離れていて、歩けば20分ほどかかる。特急停車駅なので便利はよく、タクシーも停まっているので利用すれば数分で到達できる。無料の市民バスの便もあり、これなら8分ほどだ。

善通寺駅は、100年以上の歴史がある木造駅舎で国の登録有形文化財に指定されていて、一見の価値がある。なお、善通寺市の中心駅であるという見方をすれば、善通寺から離れていてもとくに問題ないともいえるだろう。

「ゲートウェイ」と考えれば納得

9)石鎚山駅(JR予讃線)

愛媛県内にある駅で、一見すると不思議な駅名とも思える。

駅から石鎚山のロープウェーのふもと駅まででも17kmほど、歩けば4時間近い道のりだからである。

しかし、石鎚山とは山全体を神体山とする御社であって山頂、中腹などにある4つの社を合わせて石鎚神社という。それを考慮すると駅から数分で石鎚神社二ノ鳥居まで行けるので、石鎚山の「ゲートウェイ」として石鎚山駅と命名したのも納得である。さらに歩いて行くと石鎚神社本社が見えてくるのだ。

10)霧島神宮駅(JR日豊本線)

霧島神宮という駅名で特急「きりしま」の全列車が停車するとあっては、遠来の観光客は誰もが霧島神宮が近くにあると思うだろう。しかし、霧島神宮までは7km近くあり、歩けば1時間20分ほどかかる。

JR日豊本線の霧島神宮駅。訪れる場合は事前に下調べをしておきたい(写真:清十郎/PIXTA)

バスなら10分で行けるが、本数は2時間以上間隔が空く時間帯もあるので、事前の時刻表チェックは欠かせない。大体は特急列車に接続しているようだが、乗換時間はまちまちなので、急がなければならないこともある。

以上のように、最寄り駅のイメージとは裏腹にアクセスのよくない観光地もある。何も調べないでふらりと下車すると慌てることもあるので、鉄道旅行には事前の下調べが欠かせないことを肝に銘じたい。

ほかにも全国にありそうな「残念な最寄り駅」。読者の皆さんにも思い当たる駅があるのではないだろうか。

野田 隆 日本旅行作家協会理事

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のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

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