人気住宅街「南船橋」、昔は娯楽の中心地だった かつてのヘルスセンター、今は「ららぽーと」

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三井不動産が手掛けた大型商業施設「ららぽーとTOKYO-BAY」(写真:pretty world/PIXTA)

2017年、千葉県船橋市は市制施行80年を迎えた。この年、船橋市の人口は63万人を突破。また、インターネットの不動産サイト「LIFULL HOME'S住みたい街ランキング2017年」でも首都圏で1位を獲得している。

船橋市は東京のベッドタウンでもあり、スポーツタウンとしても知られる。近年は、非公認ながら大ブレイクを果たしたゆるキャラ「ふなっしー」が全国区の知名度を誇る。

そんな伸びる都市・船橋の玄関駅は、JR総武線・東武鉄道野田線・京成電鉄本線が利用できる船橋駅だ。しかし、そのほかにも船橋市は東京メトロ東西線、北総鉄道、新京成電鉄などが走り、多種多様な顔を持つ。

京成と三井不動産が開発

多面的な発展を遂げる船橋において、京葉線の南船橋駅はエンタメタウンとして開発された歴史を持つ。そして、南船橋をエンタメタウン化させたのが京成電鉄、三井不動産の2者だ。

京葉線は東京―蘇我間を結ぶ路線である。全線開業は1990年だが、1986年に西船橋―千葉港(現・千葉みなと)間が先行して開業している。そのときに、途中駅として南船橋駅も開設された。

そこから数えても、南船橋駅の開設から33年しか経過していない。新参者の南船橋駅ではあるが、それ以前から同駅周辺は京成が開発に取り組んでいた。

南船橋駅は船橋市内に立地しているが、駅のすぐ東側は習志野市域になる。大正期、この習志野市域では製塩やスッポンの養殖が盛んに行われていた。しかし、津波により塩田と養殖場は壊滅。京成は同地を干拓し、沿線開発の一環として1925年に谷津遊園をオープンさせた。

谷津遊園のシンボルにするべく、京成は旧日本勧業銀行本店の建物を移築。その後に谷津遊園の名物にもなるバラも、この頃から植栽が始められた。海に面していた谷津遊園内にはビーチもあり、夏場になると多くの人出でにぎわうようになる。

谷津遊園を開園させた京成は、遊園地までの足として、オープン2年後の1927年に谷津支線を開業。最寄り駅となる谷津遊園地駅のほか、分岐点には花輪(現・船橋競馬場)駅も開設された。

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