上野が浅草さえしのぐほど人を呼びこめる理由 「伝統」と「目新しさ」の両輪で集客を行う

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上野公園の桜はあまりにも有名だ(写真:上野観光連盟)

東京には「街歩き」としてメディアに登場する地域が多い。絶対に外せない1つが「下町」だろう。人口減の時代でも、都内の下町を訪れる人は増えている。

例えば「上野」と「浅草」の2大観光地を持つ台東区では、2016年に年間観光客数が5000万人を突破し、5061万人(うち外国人830万人)を記録した(同区の速報数値)。2014年は4504万人(同526万人)だったので、増加分の半数を外国人が占めた。

別の同年調査で内訳を見ると、「上野地区」の観光入込客数は推計約2640万人(上野公園1213万人+アメ横1427万人)。「浅草地区」は約1795万人(発表数値を四捨五入)となっている。残りの数字は谷中地区や入谷地区などだ。

今回は2600万人も集客する上野に焦点を当て、「街づくり」への思いを紹介したい。全国の観光地と規模の違いはあれ、取り組みや課題に共通点があると思うからだ。

新旧のイベントを積極的に行う

「上野は、寛永寺など江戸時代からの名所旧跡も多いが、特に明治以降に発展した街です。昔から観光客も多く来られました。街として名所旧跡は保全しつつ、新旧のイベントを積極的に行います。時代とともにお客さんの意識が変わり、外国人も増えてきた。そこで各種のお祭りでは、警察や消防と連携して、マナーを伝える取り組みも進めています」

上野観光連盟会長の二木忠男(ふたつぎ ただお)氏はこう説明する。ちなみに上野の街づくり組織は、観光連盟の傘下に各商店街が連なる。二木氏は、長年にわたり観光連盟会長を担い、アメ横商店街連合会会長も務めてきた。

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