膨張続ける調剤バブル、誰がツケを払うのか

規模の力で高収益になった調剤チェーン

医薬品のインターネット販売解禁を盛り込んだ薬事法改正案が12月5日の参議院本会議で可決、成立した。

これにより一般用医薬品(大衆薬)のうち28品目を除く99.8%がネット販売できるようになる。「禁じられたのはわずか28品目だけ。ほとんどの大衆薬が解禁されるのだからいいではないか」といった意見もある中で、楽天の三木谷浩史会長兼社長を筆頭とする解禁論者は猛烈に反発している。

その理由は、大衆薬のネット解禁を行った一方、医療用医薬品(処方箋薬)については薬剤師による対面販売義務づけを堅持する、という文言を附帯決議の中に盛り込んだため。この政治判断は、既得権益者である調剤薬局に配慮した結果ではないか、というのだ。

それというのも、処方箋薬の市場規模は大衆薬の15倍の約10兆円にも及ぶ。調剤薬局大手やドラッグストア大手が薬剤師を大量採用して、店舗拡大とM&Aで業績を伸ばしている様子は、「調剤バブル」とも評される状況になっている。

大手調剤薬局が巨大化する現状を、日本医師会も問題視する。薬事担当の鈴木邦彦常任理事は「医薬分業で医療機関の薬価差益はほとんどなくなり、その利益は調剤薬局に移った。調剤薬局は規模のメリットで利益が膨らむ、という分析結果が出ている。チェーン薬局に手厚い制度の見直しが必要」と政府審議会などの場で訴えている。

そもそも医薬分業は、医療機関が薬価差益で潤いすぎたという批判から、欧米の制度に倣って院内の薬局機能を分離した、国の政策だ。そこには膨張が見込まれる薬剤費の総額を抑制する目的が込められていた。しかし、今や処方箋薬10兆円のうち約7兆円が院外の調剤市場になっている(図)。

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