少女像をウォール街に設置したある企業の真意

「女性役員ゼロ企業」に向けられた視線

――コルトンさんは昨年秋から東京で勤務されています。日本の上場企業における女性役員割合は3%程度で欧米と比べると低いわけですが、これをどう見ていますか。

「よりよい議論ができ、優れた意思決定ができる女性の登用を求める」とコルトン氏は語る(撮影:今井康一)

これまでの経験から、われわれは変化が一夜にして起きるものではないことを理解しています。日本企業は欧米企業と比べると、管理職や取締役候補となりうる女性の数自体が不足しています。現状、CEOやCOO、取締役に女性が少ないことは想像できます。

それでも、社外から人材を探したり、今後3~5年で取締役になれる女性を育成したりすることで状況は変わっていくはずです。私たちは長期的な投資家ですから、長期的に課題に取り組むつもりでいます。

将来のリターンを考えれば、まず女性を増やすべき

――管理職などに女性を登用することについては「性別より能力を重視すべきでないか」といった意見には、どう答えますか?

機関投資家としてわれわれが求めているのは、能力がある女性を取締役に登用すること、です。

繰り返しになりますが、ジェンダー・ダイバーシティへの取り組みは、企業が長期的かつ持続可能なリターンを得るためです。現在の事業環境においてはイノベーションが求められ、それにはダイバーシティが重要です。よりよい議論ができ、優れた意思決定ができる取締役会を求めているからこそ、女性を登用してほしい、ということです。その業界の知見があり、優れた意思決定ができる女性に取締役会に入ってほしいことは言うまでもありません。

日本では、投資先の企業や同業他社の声にも耳を傾け、また、ジェンダー・ダイバーシティに関する基準をつくる立場の人たちとも話をしており、関心の高さを感じています。

私はもともとノルウェーのソブリン・ウェルス・ファンド(政府系ファンド)でキャリアをスタートしました。最初5年はノルウェーで働き、その会社の代表としてアメリカでも勤務しています。欧州、アメリカを見てきた経験から、ジェンダー・ダイバーシティの取り組みについて国によって違いがあることを理解しています。

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズでは、株主の立場から「対話」を行った企業をグローバルで一覧表にして開示している。”Annual Stewardship Report 2017”によると、日本企業ではアサヒビール、電通、本田技研工業、トヨタ自動車、三菱商事などと環境・社会問題に関する対話をしている。
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