安倍1強政権に浮上する「麻生太郎」リスク 「産まない方が問題」失言、福岡知事選は横車

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小川氏は昨年12月下旬に3選を目指して正式に出馬表明した。麻生氏は側近の自民県連幹部を動かして武内氏の県連推薦を決める一方、武田氏らは別途、小川氏の推薦を党本部に働きかけた。しかし、安倍首相は麻生氏に押し切られ、二階氏や甘利明・選対委員長も武内氏の推薦を認めざるを得なかった。

関係者によると、麻生氏は首相らに対し「推薦がとれないなら副総理を辞める」と凄み、首相も「そこまでいうなら」と麻生氏の顔を立てたという。このため、負け戦を懸念する党本部選対も「あとは福岡に責任をとってもらう」と不満を露わにする。

2016年の福岡6区補選で当選した鳩山二郎氏(故邦夫氏の二男、二階派)は、二階幹事長や菅義偉官房長官らの支援を受けていた。小川氏の対応もそれを踏まえていたとされ、今回の保守分裂はその因縁を引きずっている。このため、党本部は「麻生さんさえ我慢すれば丸く収まったのに、これでは統一地方選後半戦や参院選での結束も困難になる」と顔をしかめる。 

統一地方選は保守分裂の戦いに

統一地方選における知事選は、福岡だけでなく福井、島根、徳島各県も「保守分裂の戦い」となりつつある。候補者調整の最高責任者である甘利氏も「地域ごとの結束を固めるのが重要」と1本化を模索しているが、福岡で首相や党執行部が麻生氏に押し切られたことで「他の3県の一本化も困難」との見方が広がる。これまで小川氏を支持してきた公明党も困惑を隠せず、与党の結束にもほころびが出始めている。

そうした最中の2月3日に飛び出したのが、福岡での会合における麻生氏の失言だ。少子高齢化問題に言及した際、「子供を産まなかった方が問題」と発言。4日に始まった衆院予算委審議で早速野党側が追及、麻生氏も「誤解を生み、不快に思われる方がいるとすれば、申し訳なかった」と謝罪した。

麻生氏は5日の記者会見でも「産まなくなっちゃったという事実があるという話をしただけ。それを一部女性の方が不快に思われるのなら、おわび申し上げます」とし、「誤解を招く発言が多いのは注意しないといけない」と反省の弁も語った。

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