中食で静かなブーム、「生から惣菜」って何?

「生の食材」使った総菜を考案した陰の主役

このレンジ調理品に使用されているのは、どこにでもあるプラスチック容器ではなく、エフピコが開発したマルチFP容器と呼ばれる高耐熱容器だ。従来のプラスチック容器は耐熱性が低く、高温で長時間レンジにかけると変形したり、溶けたりしていた。また、料理を温めることは可能でも、煮込むことはできなかった。

しかし、マルチFP容器は110度までの熱さに耐えられるので、レンジにかけても容器が変形することはない。断熱性にも優れており、加熱直後に容器を手で持っても熱くない。

例えば、天ぷらそばを電子レンジ(500W)で6分加熱すると、家庭用食器では表面温度が82度になるが、マルチFP容器では53度にとどまる。家庭用食器では鍋つかみやふきん、鍋敷きが必要だ。しかし、マルチFP容器は素手でレンジから取り出し、食卓へ運んで食べることができる。

1人暮らし世帯の増加が追い風に

エフピコは2014年より、「生から惣菜」シリーズの営業を開始。同社の営業マン200人が電子レンジを担いで食品メーカーやスーパーなどを回り、マルチFP容器を使って生食材から調理された総菜のおいしさをPRした。現在はスーパーを中心に114社で「生から惣菜」が販売されている。エフピコの取引先店舗数約1万2000店のうち、約4分の1の約3200店で「生から惣菜」が扱われている。

高齢化や1人暮らし世帯の増加に伴い、「生から惣菜」の需要拡大が見込まれる。国立社会保障・人口問題研究所によると、全世帯に占める1人暮らし世帯の割合は2015年の34.5%から2040年には39.3%まで上昇する。また、世帯主の高齢化が進み、65歳以上の高齢世帯が増加する。全世帯主に占める65歳以上世帯主の割合は2015年の36.0%から2040年には44.2%まで上昇する。

1人暮らし世帯や高齢世帯は、調理をするよりも総菜を買ってきて食べることが多い。こうした世帯が「生から惣菜」の主要顧客になりうる。今のところ、スーパーでの販売が多いが、2018年にはローソンやセブン-イレブンが試験販売を行った。今後、コンビニでも正式に採用されれば、さらなる販売増につながる。

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