38歳年収800万、"婚活強者"が選んだ最適な妻 婚活界の希少人材はこうして相手を見極める

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しかし、その男性はひたすら自慢話をして、佳奈さんの話に耳を傾けようとしなかった。その後に聞き上手の孝二さんが現れたのだ。言い方は悪いが、ナイス踏み台である。

筆者は“晩婚さん予備軍”である婚活中の女性に取材することも少なくない。見た目がよくて社会的なステータスが高い男性でも、「横柄」と「卑屈」のどちらかの要素が強いと忌避されてしまう。なぜなのだろうか。相手をするのが面倒くさいという単純な理由もあるが、横柄さも卑屈さも根本的な自信のなさの現れだからだ。そんな人とパートナーになっても楽しい生活は送れないと直感するのだろう。

男性はそこまでは女性の「自信」を重視しない。孝二さんもその一人だが、年齢や外見などの表面的な要素から入り、家族になっても問題ないと判断すれば結婚に進むことができる。

「今からやるつもりだった」も年下なら受け止められる

孝二さんが結婚相手としては年上を避けたがる理由は明確だ。生活をしていて「だらしない」と感じることがあった場合、相手が年上だと「そんなこともしっかりできないのか」と許せなくなる予感がする。年下ならば「しょうがないな」と受け止められるだろう、と考えた。

実際の結婚生活で孝二さんの予感はほぼ的中しているようだ。料理と掃除は孝二さん、洗濯や風呂、トイレの掃除は佳奈さんが担当しているが、孝二さんがトイレ掃除をすることも少なくない。そのたびに孝二さんは「やってなかったね。僕がやっておいたよ」と軽く注意する。佳奈さんは「今からやるつもりだった」と反論。彼女が可愛い年下だから孝二さんは許せる。

「汚いと感じるタイミングは違いますが、金銭感覚が近いのは助かります。僕たちは好きなモノは買いますが、無駄遣いはしたくないんです。スーパーではできるだけ割引商品を買いますし、洋服はノンブランドを着まわしています」

子どもはできたら欲しいので「もう少し早く結婚していたら」と考えることもあると明かす孝二さん。ただし、独身時代にたくさん遊んだからこそ、今は佳奈さんとの結婚生活を優先できることもわかっている。

「心配なこともあります。妻の交友関係が狭すぎることです。僕が転勤になったら妻もついてきてくれる約束ですが、新しい土地で彼女にも友達ができるでしょうか。同窓会にも顔を出さずに僕と一緒にいたがる彼女に『もっと遊びに行きなよ』と思うことがあります」

やや上から目線な婚活をして、そのまま新婚生活に突入している孝二さん。好きな仕事やスポーツに取り組みつつ、家事や金銭管理もしっかりできるという自信ゆえだと思う。穏やかそうに見えながらも実は自分にも他人にも厳しい性格なのだろう。エリートにありがちといえるかもしれない。

しかし、人生には必ず波がある。これから先、会社で辛い状況に陥ったり、親の介護が必要になったりすることもあるはずだ。そのときに一番の味方になってくれる人は誰なのか。「可愛くて無駄遣いをしない」だけでなく、信じ合って支え合える人は誰なのか。どんなときも一緒にいてくれる佳奈さんへの感謝の気持ちが深まったとき、孝二さんの結婚生活はより理想的なものに近づく気がする。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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