国会質問は出来レース?「進次郎神話」の限界 切り込み隊長役に浮上する「小泉厚労相」説
毎月勤労統計での不正発覚で、今国会は召集冒頭から「統計国会」となった。論戦の最初の見せ場となったのが、4日の衆院予算委員会での小泉進次郎・自民党厚生労働部会長の質問だった。
小泉氏は厚生労働行政の党側責任者として「危機管理能力が欠如している」などと厚労省を厳しく攻撃した。その一方、責任が問われる安倍晋三首相や根本匠厚労相へのエールも目立ち、野党側からは「出来レース」などの批判が相次いだ。
小泉氏、6年ぶりの国会質問だが…
小泉氏を質問者に起用した自民党は「国民的スターの小泉氏が政府を追及して、野党の攻撃の機先を制する」(国会対策委員会幹部)ことが狙いだったとされる。ただ、メディアの報道ぶりも含めて「効果は今一つ」(同)で、野党側から「進次郎神話の限界」(辻元清美・立憲民主国対委員長)と揶揄される始末だ。
小泉氏が予算委で質問に立つのは、2013年2月の初質問以来6年ぶり。昨年秋の党・内閣人事で自ら希望して厚労部会長となった小泉氏にとっても、「人気先行の天才子役」(自民長老)からの脱皮をアピールする良い機会でもある。気合十分で「統計不正」への切り込み隊長役に挑んだ。
小泉氏が質問席に座ったのは午前10時半過ぎ。野田聖子同委委員長の「小泉進次郎さん」との呼びかけに、カメラのフラッシュをあびて立ち上がった。「(質問は)6年ぶりです」と切り出し、環太平洋経済連携協定(TPP)について「自由貿易の拡大は安倍政権のポリシー。(前回は)党内でも少数だったTPP参加推進派として質問した」と初質問を振り返り、首相も「6年前は『総理が決断すればできる』と半分脅された」と軽口で応じて笑いを誘った。
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