アサヒビール、「555mlジョッキ」革命の勝算 ジョッキ容量拡大し、一杯目需要を取り込み

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同社は従来のジョッキを新型に順次切り替えていく方針だ。2018年7月ごろから、全国の飲食店へ営業攻勢を開始。導入店舗は同9月には1万店を突破し、この1月末には5.6万店に達した。2019年中には10万店への導入を目標にしている。

アサヒビールが新型ジョッキを導入した理由は、消費者の「1杯目需要」に照準を置いているためだ。

同社の調査では、「居酒屋では『1杯目はビールを飲みたい』と考える消費者が9割近くに上る」という。ただ、「ほとんどの人は360ミリリットルの量では満足していないにもかかわらず、2杯目以降はサワーやハイボールなど、ほかのアルコール飲料に移る消費者が多い」(平野社長)。

ジョッキの容量を増やせば、消費者が満足する1杯目の量を提供することができる。ひいては、メーカーとしての出荷量も増やすことができるというわけだ。

新型ジョッキは飲食店にもメリット?

新型ジョッキ導入については、「飲食店側にもメリットがある」と同社は強調する。容量を増やすことで消費者が注文する杯数が減れば、店員の負担も少なくなる。人手不足に悩まされる飲食店にとってオペレーションの改善になり、「消費者、飲食店、メーカーで“三方良し”の施策」(アサヒ)という。

だが、もくろみ通り新型ジョッキを浸透させることができるかどうかは、不透明だ。ジョッキの容量が増えた分、ビール1杯の価格も上がる。値決めは飲食店側が行うものだが、基本的には数十円単位で上がっている。相対的に値頃感のあるサワーなどに1杯目から消費者が流れるリスクも高まる。

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