細野元環境相の二階派入りにブーイングの嵐 非自民のスター、「寄らば大樹」戦略の成否
民主党政権時代に「プリンス」とも呼ばれた細野豪志・元環境相が、無所属のまま自民党二階派入りしたことが与野党に波紋を広げている。
空中分解するまで自民党と対峙していた民主党と民進党で、細野氏は要職を歴任したが、2017年夏に「政権交代可能な2大政党をつくる」として民進党を離党。当時は飛ぶ鳥を落とす勢いだった小池百合子・東京都知事の希望の党立ち上げに参加して、一躍時の人となった。しかし、同年秋の衆院選で同党は敗北。「非自民のスター」の座を追われ、居場所のない無所属議員に転落した。
岸田氏は「話を聞いていない」と不快感
その細野氏が「寄らば大樹の陰」とばかりに、自民党への入党含みで幹事長派閥の一員となった。「政権与党でないと政策を実現できない」のが転身の理由というが、旧民主党時代の同僚は「自民党に代わる政党を目指すと言って飛び出したのに」(国民民主党幹部)と呆れ、自民党内でも「いまさら何をしようというのか」(閣僚経験者)と冷笑が広がる。
自民党の二階派は1月31日の派閥総会で、細野氏の特別会員としての入会を了承した。細野氏自身も出席し、記者団に「難しい判断だった。批判はあるが受け止め、勉強していきたい」と語った。同派を率いる二階俊博幹事長は「本人の希望、県連、地域の情勢を判断して(細野氏の入党は)党が決める」としており、当面は自民系無所属の立場で議員活動を続けるとみられている。
細野氏が当選を続けてきた衆院静岡5区は、岸田派の吉川赳・元衆院議員が自民党の支部長を務めている。このため、同派会長の岸田文雄政調会長は30日の記者会見で「話を聞いていない。岸田派に関わる問題なら相談があるだろう」と不快感を示した。
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