「未経験の分野に転職」を成功させるコツ 「採用したい」と思われる候補者の共通点

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一方で、具体的な行動や準備が伴っておらず、夢や希望のみの候補者の方たちはやはりご遠慮いただくことになるわけですが、大半がこのパターンです。

「戦略コンサルになりたい」という夢は持っているものの、そのための具体的準備が伴っておらず、夢が夢のままで終わってしまっているのです。

さて、準備が大切と言いましたが、準備するためにはまず自分が狙うべき分野はどこなのかを、まずは正確に把握することが最初のステップです。

頂戴した文章を拝見するに、ゆうじさんは企業分析と言いながらも、M&Aなのか資産運用なのか、具体的分野にまでは絞り込めていないように思えます。資産運用といってもその範囲や職種は幅広いですし、M&Aとなるとこれまた資産運用とは性質の異なる仕事です。

夢を「より具体的な目標」に落とし込む

したがって、まずはご自身で具体的に何がやりたいのか、つまり自分はどこを目指して準備をするべきなのかをキチンと整理して把握するようにしましょう。

そのうえで、その職種に求められる資質や知識は何であり、どんな準備が可能なのか、そういったことをどんどん具体化していくのです。

漠然とした夢を、より具体的な目標に落とし込んでいく作業ですね。

そういった具体的な行動が伴っていれば採用者にも熱意が伝わるでしょうし、20代半ばというゆうじさんのご年齢を考慮すると、未経験でもポテンシャル採用の枠にひっかかる可能性はあります。

しかしながら、準備に時間がかかり30歳も見えてくる年齢になると今度はポテンシャル採用ではなく、即戦力として具体的な付加価値でもって判断されることになりますから、あまり時間は残されていないと認識しましょう。

ゆうじさんがまずやるべきは、ご自身は何がやりたいのか=自分のゴール、をもっと明確にして、そのゴールを目指すうえで自分が今まで社会人人生において培ってきた知識・経験で使えるものは何か、そして足りない分野はどこかといった棚卸しをすることです。

そのうえで、足りない分野を補強するべくスクールに通う・勉強をする、といった手段を使ってどんどん準備を進めていきましょう。目標や夢をかなえることに本当に真剣であれば、具体的準備という行動につながるはずです。

そしてそういった行動こそが夢をかなえるための第一歩にもつながるのです。

準備なくして成功なし、です。夢を夢のままで終わらせずに、とことんまずは挑戦をしてみましょう。ゆうじさんがご自身の憧れの職業につき、すばらしい社会人生活を今後、送られるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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