ゴーン辞任で火蓋、日産・ルノー統合の神経戦 4月の臨時株主総会が日仏対立の前哨戦に

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日産自動車の西川廣人社長は記者会見で、不正を許した自身の責任について「会社を軌道に乗せた上で次にバトンタッチしたい」と述べ、新たな経営体制に一定のメドがついた段階で後進に道を譲ることを示唆した(撮影:大澤 誠)

世界中を驚かせた「ゴーン・ショック」の第2幕が始まった。フランスの自動車大手ルノーは1月24日、会長兼CEO(最高経営責任者)として経営の実権を長年握ってきたカルロス・ゴーン氏が辞任し、後任会長にフランスのタイヤ大手ミシュランのジャンドミニク・スナールCEOが就任する新体制を発表した。

これでゴーン氏を解任済みの日産自動車と三菱自動車との足並みがそろい、今後は3社による企業連合(アライアンス)の関係見直しの協議が本格化していく。昨年11月にゴーン氏が逮捕されて以降、ゴーン氏の処遇を軸に対立が深刻化していた日仏連合は、ルノーの新体制発足を受けて一つの節目を迎えた。

4月中旬の臨時総会開催を検討

「アライアンスの新しいページを開いていく第一歩だ。できるだけ早い段階でスナール氏に日産取締役会に加わってもらい、一緒に議論していきたい」。1月24日夜に記者会見した日産の西川廣人社長は、臨時株主総会を4月中旬に開催する方向で検討を始めたことを明らかにした。ゴーン元会長とグレッグ・ケリー元代表取締役を取締役から解任し、スナール氏を新たに取締役に迎えるためだ。

日産はこれまでルノーが求める臨時株主総会の開催を拒否し続けてきた。日産会長職を解任されたゴーン氏がルノー会長にとどまっている以上、本格的な対話には慎重な姿勢を取ってきた。一転してルノーの要求を受け入れたのも、ルノーの新しい経営体制が発足したことにより、ゴーン氏が去った後の日産の新体制についても、スナール氏を交えて落ち着いた状況での協議に応じられると判断したからだ。

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「(ゴーン氏が逮捕された)昨年11月から取締役会同士のコミュニケーションが難しい状態が続いた」(西川社長)というほど、両社の関係は悪化している。ルノー側が推薦するスナール氏が取締役に就いたとしても、日産の取締役会の構成は社外取締役3人を除くと、日産推薦による3人、ルノー推薦による2人になる。日産側(N)の人数がルノー側より1人以上多い状態を維持できるという約束である「Nマイナス1ルール」は守られる。取締役会での数的優位を確保できることから、日産は両社間の対立をこれ以上、先鋭化させるのは得策ではないとの判断に傾いたようだ。

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