なぜ「中高年同士の結婚」はこうも難しいのか 子どもは欲しい、仕事は続けたい、同居は嫌

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「それはそうなんです。でも、不利な条件をのんでまで結婚したいかというと、早坂さんにはそこまでの情熱が持てない。ものすごく好きならば、気持ちで押し切れるんですけど。

婚活を始めてみて、結婚って本当に難しいなと思っています。条件が整っていても、生理的に受け付けない人とは、結婚できないですしね。私、結婚不適合者でしょうかね」

婚活がうまくいかないときに、“私は結婚できない人間なのではないだろうか”と自分にダメ出しをし始めるのも、アラフォー、アラフィフ婚活者の特徴だ。

「不適合者ではないですよ。行き詰まると皆さん、そっちに考えが振れてしまうの。そうすると、お見合いをしても、お相手を見る目が曇ってくるし、お相手を好きになるスイッチが入らなくなる。そして、婚活疲れを起こすという負のスパイラルに巻き込まれていくんですよ。

わかりました。早坂さんとは交際終了にしましょう。気持ちを切り替えて、前向きな気持ちで新たなお見合いをしましょうね」

そう言って、電話を切った。

相手を“好き”というガソリンがないと…

翌日、交際終了の連絡を入れようと、相談所のサイトに入ったら、こちらが入れる前に、早坂のほうから“交際終了”の通知が来ていた。早坂の仲人とは親しくしていたので、まずは連絡を取った。

早坂の仲人は言った。

「内田様は自立していてとてもすてきな女性だと言ってました。でも、結婚してからも仕事をセーブするお気持ちがなかったようで。早坂としては、結婚したら仕事を続けてもいいけれど、家庭を第1に考えてくださる女性がよかったようです。あと、39歳という年齢がやっぱり気になったって。仕事はこれまでどおりに続けたい。でも、子どももほしい。それは無理ではないかと判断したんですって」

このカップルの場合、お互いが、自分の理想を追い求めすぎてはいないだろうか。そして、行動を起こす前に、頭で考えてストップをかけてしまう。石橋をたたいても、渡らない。

結婚は、どこか勢いと“なんとかなる”というおおらかさで突っ走らないとできないものだ。ただ、そうするには、相手を“好き”というガソリンがないと、アクセルが踏み込めない。年を重ねていくと、人を好きになる情熱もなだらかになってきている。

だからやっぱり、中高年の結婚は難しい。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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