選手の「ネット投稿禁止」が何も生まない理由

原辰徳監督の「SNS利用禁止令」にもの申す

だが、問題やトラブルは時折発生するものの、リーグやチームとしてSNSの利用を禁止するといったような動きに発展することはない。それは選手のSNSへの投稿によって起こる問題は、リーグやチームではなく、あくまでも基本的には選手個人の責任に帰する問題となるからだ。仮に自分の投稿によって、自らがファンからバッシングを受けようと、トラブルでチームやほかの選手などに損害を与えようと、その責任はすべて選手個人が負うこととなる。

その結果、罰金や出場停止等のペナルティーを科せられたり、もしくはチームやスポンサーから契約を解除されたりしたとしても、それは選手が受け入れるべきであるといったことが選手自身にも、そして見ているファンにもきちんと浸透している。

「SNS利用禁止」からは何も生まれない

海外のスポーツ選手は、こういったことを早い段階からさまざまな形で学んでいることが多い。たとえばアメリカの場合、カレッジスポーツなどがそうだ。選手はチームに所属する際に、飲酒や喫煙、ドラッグなどの禁止や、学業との両立(一定レベルの成績を下回ったら試合に出られないなど)といった、さまざまな事項が明確化された契約書にサインをする必要がある。

その契約書に記載されていることを破れば、もちろん相応のペナルティーを科されることとなるし、場合によっては退部といった形で文字どおり選手生命が終わってしまうことも十分にありうるのだ。

こういった環境を経ているため、選手もSNSの利用にあたって「自己責任」という点はつねに意識をしている。そのため少なくともチームの監督が選手のSNS利用を禁止するということは、そもそも起こりえない。

日本の場合、環境と前提が異なるため、なかなか同じようにはできないと思う。しかし、SNSの使い方、向き合い方を、真剣に考える必要があるだろう。少なくとも禁止からは何も生まれないのだ。

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