選手の「ネット投稿禁止」が何も生まない理由 原辰徳監督の「SNS利用禁止令」にもの申す

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一方で海外の選手たちはSNSを通じて積極的に情報発信を行ったり、ファンとの距離を近づけたりしている。それはメジャーリーグベースボール(MLB)で活躍する日本人選手も同様だ。シカゴ・カブスに所属しているダルビッシュ有選手や、ニューヨーク・ヤンキースに所属している田中将大選手らが積極的にSNSを活用しているのは非常によく知られている。

もちろん日本にも、たとえば横浜DeNAベイスターズの山﨑康晃選手のようにSNSを積極的に活用し、ファンとのコミュニケーションを盛んに行っている選手はいる。だが、まだまだ少数派だと言っていいだろう。

「SNS利用」に積極的なアメリカの野球業界

MLBではリーグの公式アカウントがシーズン中のみならず、オフシーズンも含め日々多数のツイートを発信し、ファンとのコミュニケーションを積極的に行っている。それだけでなく、選手個人のツイッターアカウントをまとめたリストを作成して広く公開している。

MLBに限らず、アメリカでは4大スポーツ(野球・バスケットボール・アメリカンフットボール・アイスホッケー)の全プロチームが比較的早くからSNS上に窓口を持ち、ファンとの関係性を強化させるために積極的な活用を行っている。これはヨーロッパのサッカーチームなどでも同様で、言ってみればリーグ全体でSNSを活用し、盛り上げていく土壌が作られている(ちなみに日本は、公式のSNSアカウントを開設していない球団も存在する)。

海外の場合、リーグ、チーム、そして選手個人と、それぞれ盛んにSNSを活用しているが、もちろんトラブルがまったく起こらないわけではない。昨年の日米野球で来日したMLBオールスターチームのメンバーが、自身のインスタグラムのアカウントに対し、不適切とみられる投稿を行ったことで問題となったのは、まだ記憶に新しい。この一件では、選手個人に対する処分は科せられなかったが、選手だけではなくMLBジャパンの代表が公式の場で謝罪をするなど大きな波紋を呼んだ。

アメリカの男子プロバスケットボールリーグ(NBA)はリーグだけではなく選手個人も積極的にSNSを活用していることで知られている。選手個人が自らの言葉で発信することでファンの支持を集めているが、時にはSNS上で選手同士の意見の対立が起こり、コート外での“場外乱闘”に発展するケースも決して少なくない。また、ほかのチームメンバーや監督の戦術などの批判を行い、罰金等の処分を受けることもある。

次ページだが、SNSの失言は「選手個人の問題」だ
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