英EU離脱・原発凍結で日立「鉄道」はどうなる?

欧州2強統合に破談観測、市場環境は大激変

ニュートンエイクリフ工場で製造中のクラス800(記者撮影)

英国のメイ政権が欧州連合(EU)と合意していたEU離脱協定案が1月15日、英議会下院によって大差で否決された。3月29日の「合意なき離脱」が現実味を増しつつある。

ほんの数年前まで世界の鉄道メーカーにおいて中堅クラスにすぎなかった日立製作所は、ぐいぐいと売り上げを増やし、シーメンス、アルストム、ボンバルディアという「ビッグスリー(大手3社)」を追撃する位置まで上り詰めた。その快進撃を支えるのが英国事業だ。

昨年12月、英国がEU離脱問題の行方に大きく揺れる中、日立の英国鉄道ビジネスの現場を訪ねた。

田園地帯の真新しい工場

英国北東部の街ダラムは、映画『ハリー・ポッター』の舞台となり世界遺産にも登録されている大聖堂やダラム城で知られる美しい街だ。そこから車で30分、田園地帯を走り抜けると真新しい建物が姿を現す。日立のニュートンエイクリフ工場だ。2015年に8200万ポンド(約115億円)の費用を投じて建設された。

日立の英国鉄道事業の拠点、ニュートンエイクリフ工場の外観(記者撮影)

日立の英国における快進撃が始まったのは2004年にさかのぼる。ドーバー海峡の海底にある英仏海峡トンネルのイギリス側出口とロンドンを結ぶ高速鉄道路線「ハイスピード1(HS1)」。この路線を走る高速鉄道車両製造の優先交渉権を獲得し、「クラス395」と呼ばれる高速鉄道車両29編成、174両を2009年までに笠戸工場(山口県下松市)で製造した。

2012年には同じく英国で「都市間高速鉄道車両置き換え計画(IEP)」の受注に成功した。IEPは英国内における幹線鉄道の122編成、866両を新型車両「クラス800」に置き換える事業で、27年間にわたる車両の保守もセットになっており、総事業費は1兆円。プロジェクトの規模はHS1をはるかに超える。

日立はさらにファースト・グレート・ウェスタン社、トランスペニー社向けなどIEP以外でも新型車両の受注を獲得し、クラス800をベースに開発した車両が大量に製造されることなった。そこで、英国内の製造拠点として新たに建設されたのが、ニュートンエイクリフ工場である。

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