音楽家に学ぶ、プレゼンで生きる緊張対策術 アガリ症の問題にも役立つ方法を伝授
まず①。
人前に立つとき、それが社内でのプレゼンであれ取引先へのあいさつであれ、そのときにあなたがその場にいる人たちに伝えたいこと、共有したいメッセージが何であるかをまず時間を作って考えてほしい。
・今年、職場環境の改善をして同僚たちの役に立ちたいのだ
といったことが考えられる。
人前に立つときに大切なのは、「うまくしゃべる」ことでも「ミスをしない」ことでもない。何かを伝えにきたから人前に立っているのであって、それをどうにかして伝えるのが役目なのだ。
その上手・下手は、技術や経験の問題であって、人前に立つときに考えることではない。いや、考えてはならないのだ。
人前に立つとき、あなたはミスをしても思ったようにいかなくても、そのことの分析や自己評価で忙しくなってはならない。それは全部終わった後にやればよいことで、「伝えたいことを伝える」という目的に絶えず集中力を向け続けなければならない。
◎ それを伝えようとするアクションに集中する
それが、あなたが人前でやらなければならないことだ。集中力が続かないかもしれない。途中で怖くなったり、何度も噛んでしまったりもするかもしれない。その場にいる人たちの反応が悪いかもしれない。
でも、何が起きても、伝えにきたことを伝えるアクションを、上手でも下手でも、うまくいってもうまくいかなくても、あなたはやろうとする必要がある。
奇妙なことに、それこそがそのときの自分の技量や状況の範囲内での最善をもたらす可能性を最大化する。
人前に立つことの肉体感覚の変化に対応とは?
次に②。
人前に立つのは、とても楽しいかもしれないし、とても怖いかもしれない。汗をかいたり、ドキドキしたり、吐きそうになったり、手足が震えたり……。
実は、これは音楽家にとっては日常だ。年間100回以上も演奏をする生活を何十年と続けているトップレベルの演奏家でも、上述したような緊張を経験することはよくあるのだ。
そこで役に立つのが、そういった肉体感覚の強烈な変化にアジャストし、うまくやり過ごしていく方法だ。筆者が、演奏のときも大ホールで公開レッスンをするときも使う、「アドレナリン・サーフィング」を紹介する。
ワシントン州立大学演劇学部主席教員のキャシー・マデン氏が考案したものだ。
アドレナリン・サーフィングは3ステップから成り立つ。
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