リトル・マーメイドも叩く過剰リベラルの罪 行き過ぎたリベラルに戸惑うアメリカ人たち

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たとえばいまだ着地点の見えないオバマケアも、この層には不人気だ。オバマケアの恩恵で今までかなわなかった医療を受けられるようになった貧困層には歓迎されているが、その資金源は税金。リベラル優位の州では、こうした保障制度維持のために税金は高くなる一方だ。

また保険代はオバマ前大統領の公約とは裏腹に、結果的に上がってしまったというケースのほうが多く、中間層の家計を直撃している。彼らが政府や大手企業に勤めていれば、組織が保険の約半分をカバーしてくれるからまだマシだろう。しかし、アメリカ全人口の35%を占めるフリーランスで働く人たち(アメリカの非営利団体Freelancers Union調べ、2018)からすると、保険金の値上がりは打撃でしかない。

社会主義的様相を醸し出すようになった

カリフォルニア州サクラメント市に住むフリーのウェブデザイナーをしているジョージ・リントンさん(35歳)は、妻と2人の子どもがいるが、家族を賄う保険に日本円にして毎月12万円もの支払いが必要であることに頭を抱えているという。

「フリーは儲かるときと、そうでないときの差がかなりある。たとえば月に3000ドルしか稼げないようなときでも、その半分以上が税金と保険に消えてしまう。税金は毎年上がっている。僕らだって苦しいのに、政府はその横で正義を振りかざし、不法移民などを優先する。これはあまりにフェアとは言えない。生活費の安い土地に引っ越したいが、そういう土地に自分の仕事があるかどうかを考えると不安になるし、八方ふさがりな気分さ」

ジョージさんは「アメリカのリベラルは、社会主義的様相を醸し出すようになってしまった」とため息をつく。頑張って働いても報われない、政府に完全依存する人たちが増え続ける、少しでもそうした不公平を口にすれば、周囲のリベラルたちから非難される――。

平等や多様性を歓迎するリベラル主義を自らも支持しているはずなのに、リベラルであることが時に耐えられない――。ジョージさんのような人は少なくないのだ。

マイノリティーへの過剰な配慮により、子どもへの性教育のあり方が過激になってしまうことにもついていけない人は多い。リベラル優位の州では、小学校で「性別は選べる」「自分が思い込んでいる性と違う場合もある」というようなことを教える自治体が増えている。

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